気持ちの切り替え2

気持ちの切り替えだが、今は野地板を張る作業をしている。
板の寸法と垂木の間隔を考えて、つなぎ目を段違いにするか、同じ箇所でするか、そんなことを考える。
もちろん、どうする方が、強度的に大丈夫なのかだ。
所詮二者択一だ。
逆に二者択一だからこそ悩む。
そこで気分を変える為に一服。
しかし、これでは切り替わらない。
一度屋根から下りる。
「喉か乾いた」と強制的にいきなり思い、水を飲む。
もちろん、頭の中は「喉が渇いた」だけだ。
水を飲み終わって屋根に上がる。
しばらく屋根を見ていると「そうか、強度は関係ないな」と気付いた。
つまり、「強度」という建築に不可欠の単語に囚われていたのだ。
しかし、現場をよく見ると小さな小屋だし、鉄パイプで組んでいるのだから、野地板で面の強度を出す必要は無い。
ということに気付いた。
単純な切り替えは、こういう具合に使っている。
もちろん、もっともっと気持ちの奥底まで届いているようなものからの脱出は、これ程単純にはいかないのではと思うだろう。
しかし、同じだ。
ただ、どんよりとよどんだ気持ちに浸っていたい人は、この限りではない。
そこから抜け出たい人は、何かしらの行動をすることで(この場合は水を飲む)、つまり、身体を動かすことで、頭が動き出す。
だから、気持ちが切り替わっていくのだ。
武道に「居着くは死、居着かざるは生」という言葉があるが、まさしくこれだ。
武道のこれは、逆に日常の切り替えよりも難しい。

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