島地君も安藤さんも

リハーサルは次のイタリア公演の為のものだった。
そこを狙ってイタリア語がデェイビットとロベルタの二人で入る。
新しく入った若者がとにかくよく動く。
黒人で身長195㎝の若者は、自分の手足の長さを活かした動きに終始する。
パーツのリハなので全体は分からないが、フォーサイスも終始にこやかな笑みを浮かべて演出していた。
リハ終了後フォーサイスと談笑。
昨年は私がカンパニーに来れなかったことが、フォーサイスにとってもダンサー達にとっても、非常に残念だったようだ。
何しろ、カンパニーのコンセンサスは、私の提示したコネクトなのだから。
改めて、私の提示するコネクトは、英語で言うとどうなるのか、という話になった。
「一緒に」では違うような気がすると安藤さんがフォーサイスにふる。
そして、一度日野を触ってみてとうながし、フォーサイスに私の手を取らせた。
「う~ん」と唸りながら辞書を取り出し言葉を探しだした。
結果やたらと難しい言葉になる。
その辺りがフォーサイスの個性だ。
ワークは指の動き、肘の動き、イメージの使い方と進み、最後は刀でのコネクトだ。
そうすると、シリルやアンデルなど、7年前から練習を繰り返している連中が、新人に対して的確なアドバイスを提供していく。
だから非常にスムーズなワークになった。
しかし、時間としては7年間経っているので、ダンサー達の間で自ずと差が生まれている。
最初にトンチンカンな解釈をした人は、獲得のしようがないのでそのままだが、自分で答えを作らなかった者は、遥かによくなっている。
何れにしても、ダンサー達は真剣向かい合いに狂喜乱舞していた。
島地君も相当良くなって来た。
微妙な空気を感じられる。
後はそれをどう気配の無い動きに結び付ける事が出来るかだ。
日本人以外のダンサーは、全員予備動作があり動きが始まる。
だから、いくら動きが早くても早くは見えない。
ここの技術は日本人の方が優れているから、島地君や安藤さんに身に付けて欲しいところなのだ。
4月20日からの京都ワークショップ
「身体と向かい合う3日間」のお知らせ
https://www.hino-budo.com/2012-KYOTOWS.htm

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