セントジェームスへ
昨晩は、生徒が大阪勤務から栃木に転勤の為送別会だった。
2次会はピアニストの田中武久さんのお店「セントジェームス」へ。
久しぶりに田中さんと談笑した。
「日野さん、今週で78歳や」
「ええ~、もうそんなお年でした」
「そうやで、そやけどこの間定期健診で、どこも異常ないのでお金が勿体ないから、2年くらいしたらおいで、て言われたんや」
「わ~、それは凄いですね。煙草は引っ掛かりませんでした?」
「うん、一日20本しか吸うてないと言うたら、かめへんかめへんと言うてたで」
本当にダイナミックでロマンチックな演奏は現役バリバリで健在だ。
「田中さんの世代と僕らの世代を比べたら、やっぱり僕らの世代の方が弱いから、僕が78歳でバリバリというのは無理ですわ」
「そんなことあらへんで」
てな話で盛り上がった。
ジャズの匂いというと単にジャズの曲からくるものと思われがちだが、私より少し下までの世代は、クラブやキャバレーを体験している。
もちろん、田中さんはその真っ只中で、進駐軍のジャズクラブも体験している。
何を言いたいのかと言うと、ちゃんと「客」という聞く対象を見据えて演奏していたということだ。
そして、ジャズの曲以外の雑多なジャンルも、プロのミュージシャンとしてきちんとこなしてきた。
その雑多なジャンルの演奏というのが、ジャズの世界観であって、その匂いがジャズの曲に投影され、ジャズの匂いが出て来るのだ。
いわゆる純粋培養ではない、ということだ。
純粋培養的生活から生まれた音楽ほど薄っぺらなものはない。
そこを聞き分けられなければ、味は分からない。
単に「上手」とか「下手」というだけの耳しかないということだ。
それはどんなジャンルにも当てはまる。
人生に回り道など無い。出来るだけ、横道にそれる方が良いのだ。
どんな宝物にぶつかるか、そんな楽しみがあるからだ。
4月20日からの京都ワークショップ
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https://www.hino-budo.com/2012-KYOTOWS.htm