伊豆の踊り子
川端康成の「伊豆の踊り子」を渡辺えりさんの朗読で聞いた。
もちろん、その本を読んだことが無いので、どんな内容なのかをえりさんの声で確かめた。
小説を読むというのは、ある意味で楽譜を演奏するのと同じなのだなと思いながら聞いた。
そういう視点で聞くと、すでにどう読まなければいけないのかが、そこにはすり込まれていると感じてくる。
どこで息をついて、どのセンテンスで間を取るか。
どんな声でなければいけないのか。
そこには、個人の立ち入る隙は無い。
というよりも、個人が立ち入ってはいけないのだ。
川端文学の世界という表現だからだ。
そんなことを思い描きながら、老舗の料亭「相生楼」で贅沢な時間を持った。
寺門孝之さんとも久しぶりに顔を合わせた。
朗読の後の映画化された伊豆の踊り子の話も面白かった。
朗読と言えば、40年ほど前、映画「サウンド・オブ・ミュージック」の解説を、もう亡くなられた増田さんという、解説者の話で聞いたことがある。
解説など途中で眠くなってしまうだろうと思っていたが、不覚にも泣かされてしまったのだ。
どんなだったかはハッキリとは覚えていないが、泣かされたのだけは覚えている。
人の発する言葉と言うのは凄いものだとその時思った。
それから4.5年してから、京都の大学で大学祭があり、そこで詩人の吉増剛造さんとセッションをした。
その時も吉増さんの言葉を発するエネルギーにぶっ飛んだ。
「伊豆の踊り子」を買って音読してみようと思った。
4月20日からの京都ワークショップのお知らせ
https://www.hino-budo.com/2012-KYOTOWS.htm