日本の弓術

オイゲン・ヘリゲル著の「日本の弓術」は、私の愛読書の一冊だ。
何度読み返しても新しい発見がある。
ヨーロッパの人達、外国の人達には、是非読んでもらいたい一冊だ。
というのは、外国の人が色々な日本の武道を学んでいるが、それぞれに「自分自身の武道観」があり、それをそのまま日本の武道に当てはめているからだ。
ヘリゲル氏は哲学者らしく、非常に客観的に自分を、そして弓術、さらに日本の文化としての色々な「術」を語っている。
もちろん、それは日本の文化そのものを深くえぐり取り言葉にしているのだ。
ドイツ人らしく論理的に。
しかし、ヨーロッパ人特有の論理や知識は一切の力にならない、と看破しているのが見事だ。
高いレベルで、言葉を操る事を仕事としている人の文章は翻訳でも素晴らしい。
「そうか、そう文章にすれば良いのか」
とうなる個所がいくらでもある。
英語の本の場合はどうなっているのかを、通訳をしてくれた武田さんにたずねると、もっと言葉が多く、しかし説明的ではなく本質をもっと違う角度で語っているとのことだった。
言葉にならない事だからこそ言葉を駆使する。
それこそ言葉の存在意味だ。
改めて言葉を考えさせられた。
4月20日からの京都ワークショップのお知らせ
https://www.hino-budo.com/2012-KYOTOWS.htm

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