新年に思う
新年に思う
64年、何とも短い時間だ。
若い人から見れば、長い時間だし想像できない時間だ。
むろん私も私が64歳という時間など若い頃には想像出来なかった。
64歳の時に、武道を探求しているとは想像も何も影も形も無かった。
フォーサイスカンパニーや外国の大学。
多くのダンサーやアクターにアスリート。
そんな人達に何かを教えているなど、私の中にはチリほどの痕跡も無かった。
いや自分では分からなかったのだ。
知らなかったのだ。
結果、未来など分からないという事になる。
というよりも、若い時には分からないのだ。
人が一生で出来ること。
出来ること、やれる事は沢山あるだろうが、出来た事、やれた事となると僅かしかない。
しかも年を重ねるほど、やれた事に対して精査する目が精緻になる。
そうなる程に、何もやれていないことを眼前に突き付けられる。
やれた事、精査する目。まさに矛盾の真っただ中を生きている。
このアホらしさが人生の醍醐味だ。
意識の不思議というしかない。
身体の不思議というしかない。
人は生まれながらにして、この不思議な働きと共にある。
働きに身を任す。
今年はどこに揺られていくのか。
それが楽しみである。