マニュアルを

何をどうすれば良いのか、ということを、ザックリとした形にしてあるのがマニュアルだ。
そのマニュアルを実際として運用するには、使う為には個人がその場その場で考えなければいけない。
しかし、「その場その場で考えなければいけない」という言葉もマニュアルだ。
その言葉を聞き、理解出来ても実際には、何一つ分からないし使うことは出来ない。
もちろん、過去の体験によって、場面が変わっても使うことが出来ることもある。
しかし、使えたとしても、それがその場にふさわしいのかどうかは別の問題だ。
その場で一番的確な方法を考えることが出来る、というのは、自分が「今どこで何をしているのか」を知っているからだ。
例えば、飲食店のオーナーシェフとした時、オーナーだということ、シェフだということ。
そこがオープンキッチンなら、客との関係とはどういうことだと知っていること。
もっともっと色々な要素がある。
それらを無意識的にも、意識的に知っているから、その場に適したことを実際に対応できるし、それを失敗しても、何かしらのアドバイスを貰えば、それを自分のものとして考え、的確な対応に結びつけることが出来るのだ。
もちろん、そんなことは最初から出来る筈もないし、分かる筈も無い。
だから、よき先輩や師匠が必要なのだ。
それらを通して、時間の中で自分の力で学んでいくのが人生だ。
不幸にも、先輩も師匠も持たなかったら、むろん自力でそれを学ばなければならない。
その場合、改めて「今、自分はどこで何をしているのか」そして「どうしたいのか」を再認識し、常にそこに戻らなければならない。
しかし、自力でというのは、文字通りのことなのだが、自分の中で、ではなく、周りを全て師匠にする、ということだ。
ただ、自分が理想とするものを漠然としたものでも持っていなければ駄目だ。
その事が、周りの何を師匠とするかを決定するからだ。

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