ねじれ
今日は、スウェーデンに来てから初めて青空だった。
たった3日しか経っていないが、青空が嬉しい。
日本ではそんなことを思ったことも無いが、低く垂れさがった雲や、日中がどんどん短くなるのを体感していると、こんな気分にさせられる。
夜は星も出ていた。たったそれだけの事が、気分を高揚させてくれる。
身体とはほんとに不思議なものだ。
「後1日しかないから、何でも良いから質問していいよ」
学生達はやっと慣れて来たところだが、明日で終わり。
ティルマンはやたらとねじれに拘り、稽古を続けていた。
よく見ていると、運動の順番をやっている。
もちろん、本人は感覚されている身体を繋げているつもりだ。
ティルマンでさえそれなのだから、学生にいたったら感覚以前に、感覚する為の運動が出来ていなくても当然だ。
しかし、学生達の熱気がこちらにも伝わるようになって来た。
もちろん、ボーっとしている学生もいるが。
明日はやたらと長い1日になりそうだ。
何しろ朝9時から夕方5時までになるからだ。
何をしようか。毎回やりかけては、難し過ぎるから止めにしているプログラムがある。
学生達にとっては、初めての概念だし、初めての動きだから仕方が無い。
ましてや、プロのダンサーでも無いのだから、本当に仕方が無い。
その目で見ると、よくやっている学生達もいる。
それは日を追うごとに増えているし、深く集中したり稽古を工夫したり、という人も増えてきている。
学生達の質問は、何のこっちゃというものが多い。
こちらとしては、その質問を糸口に考え方を述べて行く。
だから、やたらと答えるのに時間がかかり過ぎる事が多い。
しかし、それも授業の一つだ。
何しろ異文化なのだから。
今日は「自分を疑い出したから、質問は出来ない」というような、素晴らしいコメントまで飛び出した。
「その通り、一番信じてはいけないのは、自分だよ」
このコメントには、全員フリーズしていた。
それはそうだ。「自分を信じて」という教育の中で生きているのだから。
そういった言葉で混乱させるのは面白い。
世界には色々な考え方がある、ということを知り、改めて自分を問う事が出来るからだ。
明日で大学は終わり、次の週からはクルベリバレエ団へと、ワークショップは続く。