隣に座るのは

天王寺駅から地下鉄に走りこんだ。
時間も時間なので席もパラパラと空いていた。
丁度目の前に席があったので、そこに座る。
私の座った傍には、本を読んでいる30歳代後半くらいの男性。
その隣は、充分空いていた。
私が本を読んでいる人の傍に座った。
本を読んでいる人は、まるで私の気配に反射も反応もしない。
「ふ~ん」と思った。
まるで、生体反応が無いのだ。
自分の世界に入っているのか?とも思ったが、丁度前に若い女性が、イヤホーンをし携帯に見入っていた。
その横に中学生の男の子が座った。女の子は、携帯を見ながら、身体を横に寄せた。
自分の世界に入っているような女の子は、ちゃんと生体反応していた。
男の子は、まるでそこに女の子がいないような座り方だった。
見れば私立の中高一貫校で、偏差値も悪く無い筈だ。
しかし、当たり前の周囲を気遣う、という躾や心が育っていない。
私の隣に座る男性は死人か?
こんなんがもっと増えるのだろうから、ほんと住みにくい。

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