FOXTV

FOXTVのオーディション番組は面白い。
世界に通用する歌手を探す、ということでアメリカ全土を回ってオーディションをする。
そこに登場する年齢も職業も人種も様々な人。
審査委員が下す判定に、その人達がする反応が面白い。
もちろん、間に翻訳というものが入っているから、ほんとはどう言っているのかは分からないが。
「お前達には俺の才能が分からない」と逆切れする人が、各会場で何割かは必ずいる。
それも、番組の関係で目立つように編集されているのかもしれない。
しかし、いるのは確かだ。
そんな予選を勝ち抜き、本選に進むのだが、その為に新たな関門が幾つもある。
その一つは、審査員だけの前で歌うというものだ。
それが本選への最終関門のようだ。
そこでは、30歳代以下とその上、ソロとグループ等に分けられ、その専門の審査員は、世界的に活躍するボーカリスト達だ。
見ていると、30歳代上の人というのは、歌が好きで好きでたまらなく、ある程度キャリアがある。
だから、その歌いっぷりは、既にベテランの歌手のようで、尚且つ歌になっている。
鳥肌が立つくらい素晴らしいものもある。
それに引き換え、それ以下の年齢の人達は、ただ声が良いとかハーモニーが良いとかというもので、歌が好き、というそのものが見えてこない。
それはさすが審査員、それを見抜き迷う。
何しろ優勝賞金500万ドルのレコード契約なのだから。
しかし、ベテランの歌手のようで、しかも素晴らしい。
最高に良いが、果たして商業ベースに乗るだろうかと。
審査員は迷う。
しかし審査員は、何に的を絞っているのかが明確なのだ。
そういった考え方の迷いを聞くのは勉強になる。
何を選択していくのか、どの価値から削っていくのか。
ここが日本人の一番苦手なところだからだ。
ベテラン連中の中の飛びぬけている数人は、審査員に対して歌い上げていた。
それが審査員の琴線に触れ、つまり、感動を誘っていたということだ。
しかし、若い連中は「どうだ俺は上手いだろう」しか聞こえてこないし見えてこない。
これはきっと世界中同じ傾向なのだろう。
審査委員長が「老いも若木も、ソロもグループも一つの舞台に乗り、競い合うのは素晴らしい」と言う。

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