チャンスは外から
珠算教室にはまってしまった時期がある。
確か小学3年生頃から習いに行ったと思う。
最初は「一円な〜り、二円無〜り」と、初心者2,3人を教室の始まる前に、女の先生が教えてくれた。
大体弾けるようになり、通常の教室に入る。
その時は別段好きでも嫌いでもなかった。
近所の子供達が全員そこの教室に通っていたので、遊ぼうと思っても教室の時間になると誰もいなくなったから通ったということもある。
4年生になったある日の朝、確か日曜日だった。
珠算教室の前で数人が集まっていた。
先生が誰かを探しているようだった。
腕時計を気にしていたように思う。
しばらくすると先生が「日野くん、今から用事があるか?」と聞くので「いや、別にありません」というと、「一人来ないから日野くん検定試験受けてみないか」と言われた。
確か大方は8級だか9級から受けることになっている。
その時は6級から4級までの人達の検定だ。
「6級は無理でしょう」と私が言うと、「うん、かめへんから受けてみ」ということで、みんなと一緒に検定会場にいった。
結果としては6級に合格してしまった。
そうなると、珠算学校のクラスが上のクラスになることになった。
そんな事が、珠算にハマって行った原因だ。
何が、自分の好みを引き出してくれるのか分からないのだ。
その意味で、自分主体でしか物事を見ていなかったら、外からのチャンスを失うことになるのだ。