100万回やれば見えて来る

「秘伝・奥義」というような、もしかしたら近道があるかもしれない、と匂わせる言葉がある。
ネット上でも、様々なジャンルで使われている。
「秘密の」を連想させるからだろうか。
私は、どちらかと言うとスーパーマン幻想と楽して、という幻想を持っている人が多い、ということだろうと思う。
奥義ということでいえば、それを獲得した人個人のものであって、教えてもらえるものではないのだ。
先日、面白い動画を見た。
それはサッカーで、シュートが下手くそな人が100万回練習すれば上手になる、というものだ。
100万回もやれば、又、やれれば誰でも上手になる。
その見本のような動画だった。
10,000回を越えると、シュートされたボールの質が変わって来る。
そして、15,000回辺りで、その人の思うシュートが放たれるようになっていた。
奥義を獲得したのだ。
奥義というのは、こういうものだ。
そこにたどり着く過程の中で、そのシュートのみならず様々なボールの扱いが上手になっている。
つまり、一つのことをやり通した時、その目指したものだけでなく、知らず知らずの内に他の事も上手になっているし、何かしらの問題が起こっても、対処できる力が付いている。
それが奥義の中身だ。
で常々「やるしかない」というのだ。
仮に、このシュート青年が、15,000回で到達したシュートの仕方を教えて貰ったとする。
自分は10回もシュートの練習をしたことがない、あるいは、サッカーをした事がない人だったとする。
出来るだろうか?
誰が考えても、出来る筈が無いと思う筈なのだが。
この100万回の練習から逃げたい人、そのことに向かい合いたくない人が、スーパーマン幻想を持つのだろうと思う。
身体操作に関しても奥義はない。
ひたすらやるだけだ。
そのひたすらの過程で、様々な発見や気付くという状態が訪れるのだ。

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