ちゃんと私に話しかけて下さい!
100回目の「武禅一の行」は終了した。
同時に「武禅一の行」は今回で終えた。
「あなたは私の前にいません」
「ちゃんと、私の話を聞いてください」
「私に話をしているのですか」
「私には届いていませんよ」
そんな「武禅語」飛び交う講座が終了した。
今回受講した人は、その事を重々承知で受講していた。
そのせいか、打ち上げも例年以上の盛り上がりを見せた。
初日の打ち上げでは、稽古が始まっていたり、終わってからも照明の消えた道場で、稽古をする姿があった。
昨日、打ち上げの最中、外科医が「武禅終了ということで、受講者全員からサプライズがあるので、少し時間を下さい」と言われた。
暫くして道場に出て行くと、皆が円陣になっていた。
全員から歌のプレゼントだという。
それは、田辺駅からのバスの中で決めたそうだ。
どんな歌が良いか?で、私を象徴するような歌、ということで「昴」になった。
構成を皆で考え、リハーサルも出来ない中、よく作ってくれたと思う。
「昴」は丁度30年前、ある出来事があり、そこへ向かう為に「くろしお」に乗った。
天王寺駅が近づくに連れ気分が滅入った来た。
それを奮い立たせてくれたのが、偶然車内で流れていた「昴」だった。
そのサビに「我は行く~」がある。
この歌詞が私を黒塗りのベンツの待つ天満駅へ動かしてくれたのだ。
そのエピソードを知るものが、この曲だと決めたのだろう。
歌は盛り上がり、確かに私に伝えてくれた。
その思いが私と妻を纏った。
感動的なサプライズだ。
また「明鏡塾」メンバーの一人は、過去の「武禅」受講者を探し、最終回へのコメントを集めてくれていた。
来年早々古希になる。
皆にも話したが、私がこのような心のこもった贈り物を貰える立場になろうとは夢にも思ってはいなかった。
私には人生設計というこじゃれた鎖に縛られてはいない。
だから、後は野となれ山となれだ。
その私が、こんな素晴らしい人達に関わって貰えるというのも、夢にも幻想の中にも持っていなかった。
そこで私として言える事は、「絶対に自分の思った通りに生きろ、絶対に人の役に立とうなどという傲慢に気持ちを持つな、自分を貫いて行けば、そのこと自体が人の役にたっていることになるのだ」だ。
「武禅一の行」に参加してくれた皆さんありがとうございました。
1998年7月から始まった「武禅」は、2017年10月で、幕を下ろしました。
次は、新しい企画で、この「武禅」をやっていきたいと思っています。