職場を変えた人に
転職や部署の変更他、自分の状況を変えたり、変わったり。
人生では常にそういったことが起こる。
あるいは、起こす。
私自身で思い出しても、10ではきかない位相当転職している。
もちろん、アルバイトや今でいう派遣などではない。
同じ業種での転職も有れば、全く異なった業種への転職もある。
ジャズの世界は、自分のグループ以外は、これの連続だ。
オーディションを受け質の高いグループを目指していく。
あるいは、ギャラの高いグループを目指すのだ。
転職を繰り返していると、俗にいう心臓が強くなる。
何しろ、初めての環境、初めての人達と仕事を共にするからだ。
しかし、心臓が強くならない人もいる。
そして、その職場に馴染まない人もいる。
折角転職したのに、である。
それは何故か?
一言では言えないが、敢えて言うとすると、過去を引きずるからだ。
昨日までの環境とは違っているということを、明確に認識していないということだ。
明確に認識するというのは、「自分はここでは通用しない、一から通用するように作っていこう」という意識が希薄なのだ。
同種の職業での転職の場合も同じだ。
オーディションに合格し、質の高い音楽を演奏するバンドに入った。
そうすると、ざっくりとは出来ても、一つ一つの質が高いので、何も出来ないのと同じだ。
だから、そこで白紙に戻す。
つまり、自分は出来ないということを明確に自覚し、そこでのルールや曲へのアプローチを学んでいくのだ。
そんな作業を楽しめるか、楽しめないのかで、自分の立場が変わってしまうのだ。
今の若い人達は、派遣だのバイトだのという選択肢が沢山ある。
その意識での職場を変えても、精神的なメリットはさほどない。
そこに重大な責任があるからこそ、人は成長していけるのだ。
もちろん、ここは意識の問題だ。
責任を背負うという意識、つまり、自分は何者なのかという明確な自覚が有るのと、それが無いのとでは成長の度合いが全く違ってくるのだ。
人は誰でも初めてのことは出来ない。
その当たり前の事を、環境が変わった時に肝に銘じる必要があるのだ。