人の頭を使ってどうするんや

ワークショップをやっていて何時も思うことがある。
やっている内容は、一見すぐにでも出来そうなことなのだが、実際には身体のシステムを変えたり、こころや思考のシステムを変えない限り出来ないことだ。
その意味で、相当難しい。
自分との戦いという意味で難しいのだ。
それは昔日の名人や達人たちが、そこを乗り越えていった道だからだ。
しかし、その一見出来そうなことを、一見出来たように見える能力を持つ人がいる。
それはそれで良いのだが、それを他人に教える人が厄介なのだ。
むろん、それも社会であり人生だ。
全ては自分自身の選択だからだ。
そんな時、指導した側も指導された側も「分かった気に」なっている。
この分かりたい症候群というのは、自分のレベルを止めて置く為の最高のツールだ。
その「分かった気に」というのは、よく考えたら分かる事だが、自分の頭を使っていない。
この場合は、指導した人の頭だ。
私のワークは「自分で考える」ということを目的としているのだが、「出来る・出来ない」が、自分の価値観としてあるから、どうしても自分で考えるよりも、「出来た」として自分自身を納得させたくなるのだ。
分かりたい症候群は、本当に見事な病気としか言いようがない。

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