潰し合うから生まれるもの
ドラムソロ?ジャズやロックを聴いている人は、「あんなソロを1時間?」と思うかもしれない。
あるいは、「どんな曲をするの?そもそも曲はあるの」私を知らない人にドラムの話をすると、こんな展開になる。
当たり前だ。
まず、ドラムソロコンサートなど世界では存在しないからだ。
ソロでやり出したのは何時だったか?
グループやアンサンブルの関係性、聞いてくれる人との関係性に疑問が湧いて来てからだ。
だが、思い起こせば、もっと以前からソロもどきは演っていた。
それは、舞踏とのデュオや詩人など、他のジャンルの人達との勝負だ。
コラボではなく勝負だ。
もちろん、潰し合いになるが、それは主張し合うからで、それが目的でもある。
しかし、失敗や間違った!は無い。
とことんフォローをするからだ。
この対応技術や感覚・度胸は経験の数でしか培われない。
我々で「何が出来るのか?」を、そのまま舞台へ上げてしまうのだ。
だから、当然打ち合わせはない。
リハもなければゲネもない。
時間的に40分とか1時間という制約を設けるだけだ。
照明の人は大変だったが、しかし、照明の人も「俺が照明するだけのものをまず見せろ」という気迫や気概があった。
今では考えられないことだが、当時はそういったスリルのある舞台は沢山あり、そこで感性が磨かれて来たのだ。
とにかく予定調和を極限まで無くす。
その時代は、それに全力を向けていた。
その意味では、今回のコンサートは和太鼓という、同じタイプの楽器だから少々難しい。
その分、無茶苦茶面白い。
日野晃’古希’ドラムソロコンサート
4月12日 大阪大丸心斎橋劇場
6月1日 新宿ルミネゼロ