文化は変わるけど

「お前、ブサイクな顔してどうしてん」
口が悪いのではなく、小・中学生の頃の挨拶だ。
まず褒めない。
「その服なんぼしてん」
1,000円や安いやろ」
「アホか、俺の服は500円や」
という具合な会話も挨拶代りになる。
大阪では安い方が勝ちなのだ。

もちろん、今は知らない。
大阪といえど、どういう訳か標準化に洗脳されて行っているからだ。
もちろん、動物園前とか、バリバリの下町に行くと、きっと残っていると思うが。

時代と共に文化も変わっていくものだ。
美しい大阪弁の代名詞的な女優浪花千栄子さんが、お亡くなりになって久しい。
私が小学生の頃、それに近い大阪弁は周りにもあった。
叔母の大阪弁がそうだった。
残念ながら、私は八尾辺りの河内弁との間の子だ。
それは、柄が悪く迫力があるという理由で、近所の悪ガキ達が使っていたからだ。

中学生の頃、東京から転校してきた女性がいた。
標準語での挨拶は、まるで外国の言葉のように聞こえたのを思い出す。
その後、家出をして東京へ行った時、どこの駅だか忘れたが、地下鉄の駅で駅員ともめた。
駅員が「なんだ、テメェ」と私に怒鳴った時、思わずフリーズして大笑いした。
怒っているように聞こえなかったからだ。
「何を言うてんねん」と言いながら笑い転げた。
もちろん、喧嘩にはならなかった。

先日、早朝の羽田へ向かう電車に乗った。
早朝といえど東京は混んでいる。
どこかの駅で、奥の方の人が降りる様子だったので、私も一緒に外に出ようとした。
すると、ドアの前に私と同い年くらいの男性が、今にも乗り込みそうな気配を見せて立っていた。
当然、降りる人にとっては邪魔だ。

私はリュックを背負っていたので、それをその男性の前に当たるように降りた。
もちろん、降りると同時に乗せない為だ。
そして、その男性の前に立った。
男性が力づくで押してくるので、それを止めた。
すると、その男性が私を睨みつけたので、反射的に「何か?」と話しかけた。
すると「何だよ!」と威勢良く大声を出した。
また笑ってしまった。
思わず「おっさん、あほか?」と出かけたが、その言葉を飲んだ。
ただ、笑いを堪えて肩が揺れていただけだ。
染み付いたものは取れないものだ。

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