迷い込む人達は
「明鏡塾」でも、ふざけた事をいう人もいる。
「一体何をしているのか?」と。
それは、武道でも同じ、ワークショップでも同じだ。
しかも、街を歩いて来た状態で稽古に参加する人もいる。
まさか、道場をカフェと同じだと思っているのではないだろうに。
一時期、ネットで「脳内武道家」という言葉が出回っていた。
そういった人たちは「脳内人間」、つまり、典型的な引きこもりだ。
不思議でならないのは、何の下調べもなく、つまり、道場で何をしているのか、あるいは、ワークショップで何をしているのかも知らずに、土足で入って来て「ここは何をするところですか?」と聞いているようなものだが、それを分からずに生きて来れている事だ。
一体、どんな人と、どんな生活、どんな仕事をしているのか。
それが不思議なのだ。
もちろん、そういった人達もいる、それが社会だ。
決して、私の思い描く人達だけがいるのではない。
同じように、そういった人達は人達で、思い描くような場所や社会があるのではない。
まさか、というような基本的な事を知らない訳ではないだろうと思うのだが。
野生の動物でも、子供なら間違った場所に迷い込む場合もある。
しかし、大人の動物では有り得ない。
自分たちのテリトリーを本能的に弁えているからだ。
迷い込んでくる人達は、ある意味、稀な冒険家だとも言える。
しかし、冒険家なら「ここは何をするところですか?」あるいは「一体何をしているのか?」と質問をしては駄目だ。
自分の知らない山や森、あるいは川や海に単独で入ったら誰にも頼れない。
そこを自分の力で開拓するから面白いのだ。