絶対に井の中から出ないこと

昨今、自己啓発系のセミナーで、武道を取り上げられている。
私も講師として招かれたことがある。
それは、大きく言えば嬉しい事だ。
日本が世界に誇れる、身体文化だからだ。
もちろん、この身体文化というのは、精神や自意識の成長を含まれるから、世界に類を見ないのだ。

だが、セミナーで取り上げられるのは、そういったことではなく、単に一般の人からみた「不思議」な現象(技)だ。
もちろん、その不思議は、身体操作が現してはいるのだが、その身体操作の基本にあるのは、価値観の転換が起こった意識である。
だから、一朝一夕では実現させられない。
もちろん、体験も出来ない。

何時も書くように「不思議だなぁ」を体験できるだろうが、価値は体験出来ない。
価値を体験できるというのは、この場合で言えば、そこにある構造を「身体が理解すること」だ。
そして、その構造レベルに対して様々な比較があり、価値に驚嘆するのだ。

先日から、道場に来ているアマチュアトライアスロンの選手の方は「どうして、力を入れなくて出来るのか、サッパリ分かりません」と出来ている自分を疑っておられた。
この驚きは、ご自身の競技生活という比較する物差しからの驚きだ。
つまり、比較できるものを持っていなければ、その価値など分からないのだ。

もちろん、大方は言葉としての説明で理解する。
だから、実際としては何も分からないのだ。
結果「そのような」ということになるのである。
もちろん、「そのような」が悪いのではない。
「そのような」が、かかるレベルの人達がいるからだ。

その意味で、本当に検証していかなければ、井の中の蛙になってしまうのだ。
一番恐いのは、どの分野でもそこだ。
しかし、井の中の蛙でも居心地が良い人もいる。
居心地を求めたとしたらそれが一番で、絶対に井の中から出ないことだ。

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