他人のやっていることを
例えば「胸骨操作」は基本的なトレーニングだ。
そのトレーニングが直接役に立つ事もあれば、間接的に役に立つことも有る。
大方は間接的である。
つまり、それを意識しなくても、長年のトレーニングが身体に染み込んで、知らず知らずの内に使っている、という状態になることだ。
その辺りの「基本的な訓練」という認識を持っている人は非常に少ない。
それは反復練習に対する、ある種の誤解があるからだろう。
幼児の頃「マンマ」としか言えなかったのが、「ご飯」に進化するまでにどれだけの反復練習をしたか、それが「基本的な訓練」だ。
メトロノームに合わせ、リズムを刻む。
何年反復練習してきたことか。
そういった、基本的に難しい事に取り組んだ事の無い人は、この反復練習の重要性を分からない。
想像力の無い人にも分からないだろうと思う。
それこそ直接的な因果関係しか分からない人は仕方がない。
話は変わるが、楽しそうにやっていると「単純に遊んでいる」としか思わない人もいる。
バレンシアで、常連のクリスチャンとディビットは、直ぐに楽しそうに色々とやる。
それをクリスチャンが一言「皆は、私達が遊んでいるように見えるだろうが、二人で色々と工夫をしたり、どう応用できるかを実際に試しているとは分からないだろう」と私に呟いていた。
その通りで、彼等二人がやっていることは、それ以外の誰にも分からない。
それがレベル差だ。
胸骨トレーニングが、実際的にはこうなっていく、ということを彼等は試しているのだが。