躾は固有の文化だ

子供の躾は国によって違うのだろうと思う。
それは、その国固有の文化から躾が生まれるからだ。
初めてフランスに行った時、現地で知り合ったフランス人のところでお世話になったことがある。
その家には、幼稚園児くらいのお兄ちゃんと、4歳位の妹がいた。
妹がいたずらをして、一寸した擦り傷を負い泣いた。
お母さんは、お兄ちゃんを叱っていた。
「お兄ちゃんが不注意だから、妹が怪我をしたのだ。お兄ちゃんだからしっかりしなさい」というような叱り方だった。
日本とまるで同じだ。
その事をお母さんに言うと、目を丸くして驚いていた。

もちろん、フランスというか大方の外国には押し入れなど無い。
リビングにあるテーブルを部屋のコーナーに押していき、そのコーナーから出てはいけない、というルールがある。
そこにお兄ちゃんは放り込まれた。
それがしばらくすると解放され、兄妹で家具の乾拭きをさせられていた。
やっていることこそ違え、中身は同じだ。

もはや、こういった光景は日本では絶対に見られないだろう。
その事で、何が育ち何が損なわれているのか。
それは時間が教えてくれる。
しかし、現代の状況は数十年前の結果だということは間違いない。

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