全ては「気持ち」からだ

「気持ち」ということで、大事な話を聞けた。
本部道場に来る高校の空手部の監督。
今国体に向けての予選で、チームBが予選第一試合で、優勝候補を破ってしまったのだ。
第2試合では、実力が拮抗している高校とあたり惜敗した。
チームAは、優勝し国体出場を決めた。
チームAは、Aだから勝って当たり前だろう、という話だが、内情は言葉面だけでは見えて来ない。
このチーム作りの時に、3年生は最後だから出して上げたいが、国体出場を考えたら2年生との混成で望みたいと全員に話した。
3年生は涙をこぼした。
しかし、2年生で勝利すれば、国体に行けるのだから、とも付け足した。
別室に2年生を呼び、その以降を伝えた。
全く反応がないので、「プレッシャーがかかり過ぎかな、であれば止めよう」と監督は思ったそうだ。
そこで一人ずつに「どうする?」と質問した。
全員が「嬉しすぎて声が出ない」ということだ。
それを聞いて監督は「絶対に行ける」と確信したという。
ただ、心配だったのは3年生の士気が落ちることだ。
体育館に戻ると、それは大きな間違いだと気付く。
3年生は大きな声を出し、練習に励んでいた。
2年生は円陣を組み、一段と大きな声で士気を高めた。
それを見て、監督の理想は、A、Bのチームで決勝を迎えられたら、というものになった。
3年生の気持ちは、2回戦敗退だが、優勝候補を破る快挙となり、2年生は優勝という快挙を成し遂げた。
監督就任以来7年で一番嬉しい出来事だと語ってくれた。
これら全て「気持ち」の成せる業だ。
実力としては、下のチームだが、「気持ち」がそれを突き破ったのだ。
決勝では、Bチームを破った高校が相手だった。
結果は中堅で勝負が付く快勝だったという。
「気持ち」がどれ程強いかが、何を起こすか分からないということの証明だ。
思えば、高校野球などとんでもない大差を、9回裏でひっくり返す、というドラマが幾度となく起こっている。
身体の分析、運動の分析も悪いことではないが、それらもこの「気持ち」が優先された後に必要なものだ。
決して、身体や運動の合理性、あるいは方法が先にあるのではないのだ。
そこに例外は無い。
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