チームワーク

ヘルシンキの公演では、高原さんに頼みダンサー達に、単純な振り付けをしてもらった。
外国では人を否定する言葉は使えない。
というか、否定してもさらりと交わしてしまうのだ。
決して、自分という人格には触らないようにしているようだ。
とすると、根幹である自意識を成長させる事は出来ない。
精神文化が発達する為の土壌が無いということではないか。
これは、初めて外国で教える事になった時から気付いていたが、ここに来て確信が持てた。
逆に自我を増長させる言葉は沢山有る。
そんな中での仕事は、言葉使いの悪い私には結構きついものがあった。
上っ面しか出来上がっていかないからだ。
ま、それはそれとして、ダンサー達にもレベルが有る。
そんな中で一人だけ、身体も動くし利発なダンサーがいた。
私は「チーム」という言葉を使い全体をまとめた。
その利発なダンサーが、動きがとろく振り付けをしっかり憶えないダンサーに教えていた。
チームとして揃っていなければダメだという自覚の元だろう。
その教え方を見ていて感心した。
こちらで言えば、小さな子供に教えるように、1つずつ丁寧に教えているのだ。
間違っても決して叱らないのだ。
高原さんと「彼女は凄いね」と感心したものだ。
これは本当に勉強になった。
私はせっかちだから要素までも教えようとする。
そうすると、完全にパニックになる。
上っ面の動きすら出来ない人に要素は必要無い。
もちろん、私は教育者ではない。
しかし、こちらが伝えたいことを伝えようとするあまり、また、どこからアプローチをするのが、自意識を成長させられるのかということを考えるあまり、相当高度な要求をしてしまう。
もちろん、それが私であり、日野武道研究所の立場でもある。
彼女はチームということに価値があり、チームだから皆でまとまろう、という事が最優先順位の一番なのだろうと解釈した。
日本では「皆で」というが、これだけのチームワークは知らない。
もちろん、スポーツの団体競技になると話は別だ。
その意味では、元々がチームではなく、このプロジェクトで顔を合わせただけの人と、これだけ充に練習を重ねる姿に感心したし、見習わなければいけないことだと痛感した。
そういう体験をした後での国内のワーク・ショップはどう展開できるのか?
これは、私にとっても相当興味深い。
大阪ワーク・ショップは5月5.6.7.8日、東京ワーク・ショップは6月2.3.4.5日です
http://hinobudo.wixsite.com/workshop/

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