まずは自分の力で
「こうすればこうなる」が無いとした時、同じものは絶対に無い、ということになる。
そこに個体差が明確に浮き彫りになるのだ。
伊藤一刀斎が語った「剣の妙はこころの妙だから、自得する以外にはない」ということの一方の本質である。
だから、極論として「教える」ということは出来ないになるのだ。
つまり、どういう場であっても、結局は自分自身の力で学び取っているということだ。
それを自覚的にやっているのか、無意識的にやっているのかの違いしかないのだ。
無意識的な場合は、学ばなければならないことの漏れる量が相当あるというだけだ。
どうして無意識的になるのかというと、「教えてもらえる」という意識の方向があるからだ。
「自分が工夫をする」という方向を持っていれば、漏れる量は極端に少なくなる。
そういった違いがある。
だから、自分の生きる姿勢の第一歩としては「自分の力で」という構えが必要なのだ。
その方向さえ掴んでいれば、漏れる心配はそうそうない。
たとえ漏れたとしても、自分の力という能力が備わっていくのだ。