考えるなは、考えろだ
「考えるな、体にきけ」は拙著のタイトルだ。
しかし、「考えるな」というのは難しい。
考えなくても良い、というところまで考える必要があるからだ。
文字通り「考えるな」であれば、何もどうすることも出来ない。
昨日、世界の名コーチが弱いスポーツチームを指導するという、非常に勉強になる番組を見ていた。
過去にも、バスケットボールやバレーボールの指導ぶりを見て、「さすが世界」と思ったものだ。
昨日は、卓球だ。
リオオリンピックのメダリスト、水谷選手などを育てたコーチの指導だった。
「手と足は同じ」と、小学生や中学生の子供達に言い放しだった。
名コーチという共通項は、自分の指導を受ける選手にとって、これは難しい、あるいは出来ないと見えたら、その場で、同じ質を持っていながら、単純な、あるいは全く違った練習をさせるところにある。
しかも、実際の試合に即した練習をするところだ。
一番感心したのは、子どもたちに「考える」ことの重要性を説いていた事だ。
「身体が疲れるよりも、頭が痛くなるように」名言だ。
それが「考えるな」に結びついていく唯一の方法だからだ。
私のWorkshopと同じだ。
「身体は疲れていないのに、頭がボーッとしてしまう」と受講者は口を揃えて言う。
頭を身体以上に働かせなければ駄目なのだ。
身体を動かしている限り、絶対に自分のクセから脱出することは出来ないからだ。