人を見る
パリのワークショップで、「あれっ?」と思うことがあった。
パリでワークショップを始めた当初から、受講していた中年の男性。
空手でもなく合気道や柔術でもなく、という感じだ。
いわば、好きでたまに身体を動かしているのだろうという程度だ。
その男性が、見学をしていた。
スマホを片手に、私の指導風景を撮っていた。
別にそれは問題ではない。
その男性が気になり次に見ると、稽古をしている人と何やら話をしていた。
「知り合いだったのか」と思ったのだが、どうも世間話ではなさそうだ。
よく観察していると、教えている風なのだ。
「なんで?」と思ったが、こちらの稽古に集中して放っておいた。
休憩になった時、受付をしてくれている静香さんに「あのおっさんは、もしかしたら教えていた?」と聞くと、「そうなんですよ、レオの教室に来ても教えるのです。最初は叱っていたのですが、全く聞き耳を持たないので、今は完全無視をしています」だそうだ。
そういった光景は日本でもよく見かける。
私は余りにもひどい時は、追い出すことにしている。
受講者の邪魔になるからだ。
とは、言ってもワークショップといっても、そこも社会の一部だ。
つまり、社会には訳の分からん人も沢山おり、その人を見破れなければ振り回される。
そういった人を見破る稽古でもあるから、敢えて追い出さないようにすることにする時もあるのだ。
しかし、ワークショップの会場という条件があり、教えているのは私という事は決まっている。
にもかかわらず部外者で、しかも受講もしていない人の話を、真面目くさった顔をして聞くのかさっぱり分からない。
フランス人は、根本的に人が良いのだ、としか思わずにはいられない。
あるいは、主体性が無いのか?
それとも人によるのか?
今回の様に、人が少ない時はそんなことが目につく。
しかし、その教え魔のおっさんも、一番理解している連中には寄ってこない。
向こうも人を見ているのだ。
今週末から岡山ワークショップだ。
もちろん、こういった話も交えてのワークショップである。
岡山ワークショップ 9月17日-19日
http://rcokayama.nomaki.jp/
大阪ワークショップは9月22,23,24,25日です。
https://www.hino-budo.com/workshop-schedule1.html