嬉しい便り
競輪S級の西岡君に自転車のアドバイスをしている。
先週、嬉しいメールを貰った。
S級に上がっての初勝利の報告だ。
彼の身体は細い。
競輪選手としては細いのではなく、一般的に見て細いのだ。
彼は小さい頃からBMXに乗り全日本のチャンピオンになっている。
その当時から身体は細かった。
競輪に転向したとき、ギアが重く「パワーがいるのかな」と思い、体重を上げた時もあった。
しかし、身体そのものがそれを受け付けず、違和感にさいなまれていたという。
競輪はトップスピードになると、1秒間に2.4回位ペダルが回っている。
そう考えると何が必要かは、自ずと決まってくる。
そういったように、理詰めで物事を考える力を持つ選手だ。
西岡選手はyoutubeで私の胸骨操作を見て興味を持ち、教室に訪ねてくれた。
彼の話、アドバイスの受け取り方、その場での行動を見て、「並じゃない」と感じた。
「これは面白い」という感じでワクワクだ。
こちらの提示する身体操作を、直ぐに実行する。
彼を見ていると、完全に頭の中の世界がこちらに伝わってくる。
岡山や京都のワークショップに自転車を持って来て、「これでどう」という具合に提示してくれる。
和歌山の道場では、彼の走りを見せてもらった。
下の国道から道場までの急激な上りは、最初は無理と自転車を降りて押して上がった。
しかし1時間後、胸骨操作でクリアした。
それを見てアドバイスをする。
彼は私のヒントで100レース程走っている。
その間、100通りの実験をするのだ。
今回の優勝は西岡君の稀な身体感覚と、自転車に対する真摯な姿勢が引き出したものだ。
今後もどんどん進化するだろう。
荒波の中をひたすら静かな船が爆走する、そんな感じの走りだ。
実は、この西岡君との対談記事が来月発売の「月間秘伝」に掲載されている。