技術には正誤が明確にある

今月19,20,21日は福岡でのワークショップだ。
ワークショップを開催するにあたって、一番大変なのは集客だ。
もちろん、場所の問題もある。
地方の場合は、人間関係が場所を決めてくれる場合が多い。
福岡のワークショップもその例外ではない。
今回もお世話になるのは、須貝りさ先生のバレエスタジオだ。
前回は、生徒さんや須貝先生自らがレッスンの合間を縫って受講して頂いた。
私のワークショップは、もちろん参加型なのだが、一味違う事がある。
それは、正誤が明確にあることだ。
「そんな感じ」が無いことだ。
それは「技術」だからである。
技術ではない場合、全ては「そんな感じ」となる。
それは指導する側にも明確な「何を伝えるか」が無く、それぞれ個人の感受性や気分に委ねているからだ。
海外も含めてそういうワークが大半だ。
ダンスのワークショップ等は、フレーズを覚えるだけだ。
もちろん、それはそれで「楽しい」。
何かを積み重ねていくものではなく、その時間を楽しめるからだ。
私のワークは「積み重ねる」という考え方、稽古の仕方を覚えるワークだ。
同時にそれに取り組んでいる「身体」に気付いていく、というものでもある。
自分自身の癖や固定観念に気付くワークだ。
つまり、癖や固定観念に気づこうと思えば、正確な技術に取り組めば良い、ということだ。
正確なものに取り組んだ時、自分自身の心理を含んだ、様々な歪みを発見することができるのだ。
その意味で、クラシックバレエ等の、正確なポジションを持っているジャンルの人には理解しやすいのだ。
「身体の力を抜く・緩める」というメソッドは多い。
しかし、それは本当に抜けているのか、緩んでいるのかは分からない。
以前お亡くなりになった、マーサー・グラハムのリモンテクニックの校長であるアラン先生と、技術交流をしたことがある。
その時見学させて頂いたが、肝心の「抜く・緩める」に対する指摘が無かった。
つまり、それぞれの人が個人的に「抜けた・緩んだ」と「思っているだけ」というレベルだった。
私のワークを見学されたアラン先生は、正にそこを指摘し表現しているワークに「日野はクレージーだ」とおっしゃっていた。
だからもちろんこの「クレージー」というのは、「凄い」という意味だ。
私のワークは「技術」だ。
だから、出来ない技術に取り組んで、共に笑い共に自分を見つめ共に汗をかけるのだ。

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