ブリュッセル郊外の村

ブリュッセルから約150㎞程離れた、パリズールの道場での稽古だった。
ここの道場主ご夫婦は共に武術歴40年程だ。
私がパリに行きだした頃から毎回参加してくれ、和歌山にも一度来てくれている。
その意味で、武術に関して何の説明もいらないし、説明は逆に失礼だ。
何時も何時も、本当に良くしてくれるから感激する。
今日もブランチの招待を受けていたので、午後3時にブリュッセルを出た。
何でもこの7月から250㎡程の道場を建設するそうだ。
食堂等、何もかも完備したものだという。
その道場の建築パースを見せて貰った。
高さは高いところで5m低いところで3mある。
何とも快適で清潔そうな道場になるだろう。
ここも初めての人は少ない。
ただ小学生くらいの子供もたまに参加する。
今回も3人参加していた。
相手と接する部位を点で捉えるのではなく、線で捉えること、という稽古を色々な切り口で繰り返した。
片手胸掴みから、突きの受け他、体重移動を加えた形だ。
一人掛けから3人掛けまで。
皆目を白黒させながら楽しんだ。
小学生たちも目をキラキラさせて取り組んでいた。
途中で、体格の良い男性に相手をしてもらい、その男性を転がせたのを本気で喜んでいた。
心臓病で手術をし、その回復を早める為に毎日胸骨操作をし、医者も驚く完全復帰をした男性も参加してくれていた。
「この通り、本当に元気になった」と報告してくれ、共に喜びあった。
また、赤ちゃんを抱いた女性は、稽古中に急な腰痛で倒れていたのを回復させたので、そのお礼にとお土産を持って来てくれた。
その後一切腰痛は出なくなったと喜んでくれていた。
そんなこともなったな、とコロッと忘れていた。
午後10時稽古終了。
今からブリュッセルまで帰ると、きっと12時くらいになるだろう。

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