無言の会話

●昨年に続き、二度目になる大阪での講演会です。
「人生を生き抜く智慧・達人の真髄はコロンブスの卵だ」
笑いますよ!
昨年は、直ぐに定員になってしまいました。お早めに申し込んで下さい。

10月26日
http://ilt.jp/extra01/entry.html
●おまたせしました。東京教室が10月5日より再開します。
https://www.hino-budo.com/tokyo.html
●秋の「武禅」11月1,2,3日受付開始しました。
https://www.hino-budo.com/buzen4.html

30年前、数年の計画の後、道場建設を着工した。
単なる思いつきだけで始めたものなので、予算も建築計画もあったものではない。
建築費確保の為、色々な仕事をした。
そんな仕事絡みで沢山の人と知り合った。
亀のような歩みで建つ道場の写真を見て、知り合った人達は「面白い」と共感してくれた。
その内の一人が「あきらくん、道場を建てる足しにして欲しい」と、かなりの金額を寄付してくれた。
ある意味で、全く見ず知らずの人だ。
仕事がらみで知っているというだけだ。
数年、そういった人達と付き合ったが、私が仕事を離れると同時に、音沙汰も無くなった。
時々思い出したりするが、こちらから連絡の取りようもない。
昨年、家に電話が入った。
何と、その彼だった。
仕事を辞め、老人ホームのヘルパーをしているという。
元気そうな声に、時間は一挙に数十年前に戻った。
昨日、その彼の知人から電話が入った。
余命2週間だという。
皮膚ガン、リンパ節、肺と転移。
今は全身に転移している。
意識も混濁しており、分かるかわからないか定かではないという話だ。
会うならこの2,3日だという。
今日、病院へ向かった。
真新しいホスピスに入り、受付で彼の名を告げ部屋へ案内してもらった。
「分かるのでしょうか」看護士にたずねると、「きっと、分かっていると思います」とのこと。
寝ている彼の手を握り、声をかけた。
しばらくすると、彼の目から流れた涙と共に、手を握る力に意識が入った。
私の手に爪痕が残るほど力強いものだった。
あふれる涙に向かい「あきらだよ、分かるね」ともう一声。
そして「頑張ったね」というと、何度も何度も頷いた。
無言の会話に、手を握る力で応えてくれた。
「◯さん、ありがとう、ありがとう」彼という生命に感謝を届けた。
彼は涙で応えてくれた。
その部屋に時間は存在しなかった。
11月1,2,3日は「武禅」だ。
武禅での「正面向い合い」は、この生命との向かい合いにほかならない。
「分かりません・注意が散漫でした」というものではない。
何を受け取り、何を届けるのか。
受け取ることが出来るのか、届ける事ができるのか。
受け取りたいのか、届けたいのか。

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