人生無駄はない

何気なく数年前のセミナーの様子を撮った映像を見ていた。
やせ細った自分の姿を見て、その原因を思い出した。
その数年前の暮、身体の異常を発見した。
ジンマシンだ。およそ、そういったアレルギーには縁がなかったから、何か食べ物にでもあたったのかな、とか、それこそ花粉のようなものかな、と放っておいた。
むろん、1週間か2週間で消えるだろうと思っていたからだ。
ところが、2週間どころか、1か月たっても2カ月たっても、ジンマシンは消えない。
幸いなことに、出ている箇所は全部着衣の中だったので、殆どの人は気付いていない。
その時、体重も一挙に4キロから6キロ程落ちた。
本部に通う一人が「先生、大丈夫ですか」と気遣ってくれたのを思い出した。
友人の薬剤師に相談すると、それはジンマシンではなく、何かしらのストレスが原因だということだ。
そうか、ストレスか。
ストレスならば完全に思い当たる。
ある場所で、ある人との会話が原因だ。
だが、その場所や周りの人との関係で、それを爆発させる事が出来なかった。
つまり、貯め込んだのだ。
その時、自分の顔から血の気が引いたのを覚えている。
昔なら、完全に戦闘モードで、直ぐに何かしらの行動に出ているところだ。
それを完全に飲み込んだのだ。
それが体重を落とし、湿疹まで出させた。
友人の紹介で病院で検査を受けると、膵臓や胆のうにポリープが出来ていた。
それが原因で、当時は殆ど毎日朝方になると、トイレに駆け込み嘔吐を繰り返していた。
恐ろしやストレス!…と言う話ではない。
その頃の映像を見ていてハタと気付いた。
頬がコケ、ほんとに病人状態で、しかも身体に力が入らないし出ない。
合宿などを見ていてもフラフラだ。
その状態なのだが、多人数がけや、それこそ10人程に身体を押さえつけられている状態から脱出していた。
そうか、そうだったんや。
身体の力みが取れる為の試練だったと、ハタと気付いたのだ。
肩の力を抜く、足の突っ張りを抜く、というような部分では無く、身体全体の力みが無い状態になっていたのだ。
何とも情けない姿なのだが、それが20年後の自分の姿だと直感した。
つまり、今でも既に老人に片足を突っ込んでいるが、80歳を過ぎた時この状態であればいけると確信したのだ。
人生で起こるどんなことでも無駄は無いと人は言う。
もちらん、それは有り得ない。
そうではなく、起こった出来事をその時の自分がどう捉えるのか、というところで、無駄が無くなったり有ったりするものなのだ。
もう少し深く言えば、その時の自分の無意識的な必然が、物事の捉え方を決めてくれ、無駄を無くしてくれるのだ。
その出来事は、その映像で気付くまでは、こころの片隅に引っ掛かっていた。
だが、この発見でそれが無くなった。
そんな成長の為のものだったのだろう。
となれば、人によっては病気もあながち捨てたものではない、ということも言える。
ほんと人生は死ぬまで勉強だ。

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