ペースを壊すと

本部に来る若者が牧場で働いている。
そこに今春も新卒の若者が数人入社した。
若者は無気力で体力も無し。
それは年々ひどくなっているという。
その代わり口だけは達者という、典型的な今の子達だ。
「ごちゃごちゃ言う前にやれ」
牧場で口は通じない。
マルっきり動けない若者。
しかしこれが1ヶ月もすると大きく成長するそうだ。
それは、自分のペースが何一つ通用しないからだ。
最初は、出来ない言い訳や説明を山ほどする。
若者は自分のペースだけで生活をしてきた。
学校でもそれが通用するから不思議なのだが。
牧場は、間違いなく「牛」のペースで仕事が進むのだ。
だから、自分の都合は通用しないし、自分の都合では何も出来ない。
自分のペースではなく、場のペース。
それも牛のペースで行わなければ、仕事にならない。
その牧場は3.000頭以上の乳牛がいる。
それを最小の人数で世話をするのだから、どれだけ体力がいるか想像出来る。
2ヶ月もすると新卒の若者の顔は引き締まり、身体が動くし口の達者なのは無くなって来る。
人はそんなものだ。
出来ないのではなく、やらないだけだ。
周りがそれを要求しないからやらない。
つまり、人の成長を周りが疎外しているということだ。
しかも親が筆頭で。
自分以外のペースに対応できるようになってくると、人は自然に成長していくものなのだ。

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