子供は大人になる

本部に来る若者の子供がレスリングをしている。
先日全国大会に出場し、惜しくも3回戦で敗退した。
応援にいった生徒の話を聞くと、身体はよく動いていたが、気持ちは相手の方が強く、それが負けの原因だそうだ。
その相手とは、過去3回闘って3回とも負けているという。
そしてその相手が優勝をした。
こういう「苦手」というのはよくあることだ。
ましてや小学4年生の少年では、周りからのアドバイスでの克服は相当難しい。
この年代は成長の時期でもある。
負けた少年の顔はどんどん変化し、練習の時の意識も相当成長している。
その意味では、今克服しなくても、小学6年生頃には克服している筈だ。
子供達のスポーツ競技で難しいのは、子供の頃に勝つやり方を指導するのか、将来強くなる為の指導をするのかだ。
また、子供は大人になりその競技をやめるかもしれない。
そうした時に、役立つ取り組み方を指導するのかだ。
先日、ある大学の教職課程の生徒にワークショップを開いたことは書いた。
そこに抜け落ちていたのは、この「子供は大人になる」というごく当たり前のことだ。
教師は子供の前に立つ大人でなければならない。
この重要な一点が完全に抜け落ちている。
残念ながら、それを知識で補うことは出来ない。
それは家庭でも同じだ。
親は大人であり続けるということが抜け落ち、友達に成り下がっているのだ。
だから、子供は大人にはなれないし、親を乗り越えようとも思わない。
すでに子供は子供の頃から友達として乗り越えているからだ。
子供は巣立たなければならない。
巣立つように成長させなければならない。
4月20日からの京都ワークショップ
「身体と向き合う3日間」のお知らせ
https://www.hino-budo.com/2012-KYOTOWS.htm

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