山の手事情社

今日は、浅草に山の手事情社の芝居を見に行った。
安珍清姫(道成寺)の物語を、書物に基づいて組み合わせたものだ。
今回この作品を観るのは二度目になる。
何度も再演しているから、キレ味が良くなっていた。
しかし、その分サッと流れてしまい、もったいないところもあった。
終演後、山本芳郎君や倉品さん、山口笑美ちゃんらと飲んだ。
作品の洗練度については、役者達も気付いており、工夫をしている最中だという。
そこに、女義太夫の先生と生徒も加わり、芸談義に花が咲いた。
意識の切り替えから、身体の事、発声の事、場の事。
武道も芝居も義太夫も全部に共通するから面白い。
そして、それぞれの話が勉強になる。
この食い付きの良さは、捨てがたい快感だ。
「ああ~、まだ上手く見せたい自分がいる」
と倉品さん。
「そんなもん死ぬまであるで、そことの勝負があるから芸事というのはおもろいんやん」
「大阪弁はいいですね。義太夫は上方のものだから、私達はいきなりハンディがあるのです」
なんやかんやで、あっという間に時間が経った。
何時も思うのだが、閉店があり、皆別れ別れになる、という大前提があるから、これほど密度の高い時間が持てるのだと。
もしも、この時間が永遠と続けるのなら、決してこの密度出てこない。
どんなことでも一緒だと思う。
いわば、この一瞬の快感の為に普段があるのだろう、ということだ。

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