女性の方が強い
この会社に入って会社をもっと大きくしたい。
面接時の女性の言葉だった。
それに引き換え男性は、将来結婚もすると思うし、家庭を持ったら安定した職場でないといけないと思うし、自分で決めたことだから、残りも全部試験を受けたいし、先にここだけを決めるのは、選択肢を放棄しているようだし、社長が何でも一人で決めるワンマンなようだから、後の社員の人は育っているのか心配だし、小さな会社より大企業の方が仕事が充実していると思うし…。
とにかく、先の事、有りもしない架空のことに頭を巡らせている。
今、自分はどうするのか、を全く話せない。
自分が直面している現実を理解していないのだ。
というのは、「今」というのは「昨日」の延長であり、「一昨日」の延長、1週間前、1ヶ月前、1年前、3年前の延長だということを、全く知らずに育っているということだ。
つまり、「今」は今あるのではなく、すでに自分が決めているのだ。
この場合だと、訳の分からないことを考える、話す自分を作って来たということだ。
逆に言えば、今日の自分は1年後2年後の自分を作っているということになる。
だから、現在の自分を見れば1年後にどうなっているのかは、予言者でなくても分かるということだ。
ここに書いたことは、昨日の続きで、中小企業での面接時に出てきた言葉だ。
大学院生が多かった。
つまり、自分は何をする為に大学に行き、どんな職場で、あるいは、どんな職種で一発自分を試してやろう、ということを何も考えていなかったということだ。
これらの言葉を吐いた人達は、きっと2,3年後には会社を辞めているだろう。
今が見えていないのだから。
20年ほど前、自己実現という言葉が流行った。
私も講演頼まれていた時期だ。
その時によく話したのが「すでに自己実現は出来ているよ。10年前の自己実現が現在の自分だ」と。
中国の青年は、その会社の特徴や、自分はどうしたい、ということ。
それらがその会社で働くことで合致すると、情熱を持って語っていた。
どうしてそんな若者が育ってこないのか。
しかし、救われたのは女性だ。冒頭の言葉だ。
素晴らしい!
しかし、ここの社長も見る目は無い。
いくらイギリスに留学中の学生で、話す言葉が理に叶っていたとしても、瞬きの数の多さ、声の力の無さ等から、単なる思い付きで喋っていると見破れないのだ。
今、嘘をついたと見破れないのだから話にならない。
「武禅」にくれば、と言いたくなる。
その学生は、結局他の条件の良い大企業へと行った。
しかし、しばらくしたら、きっと辞めるだろうと推測できる。
自分自身に夢も希望もないのだから。
9月の東京ワークショップは基本からみっちりいきます。
http://www.real-contact.jeez.jp/index.htm