素人の目

今回の合宿では、17歳の武道経験の全くない女性が参加していた。
人数の関係で、私が彼女と組み稽古をすることが多かった。
何しろ、武道経験が無いから、武道的なことを話しても、何も分からないし、分かったところで出来ないのだから、それも意味が無い。
だから、具体的なポイントとざっくりとした動きを教える。
すると、武道を知らない彼女の目は、動きを容易に覚えさせ、誰よりも早く動きが出来るようになる。
素直な目や、素直な取り組み方が出来る特権だ。
方や武道を知っていて、武道的な動きも理解している先輩達は、中々出来ない。
それを見ていると、やはり自分自身で分かる細部に拘ってしまって、身動き取れない状態になっているのだ。
客観的な視点を持つことが、どれほど難しいのかということだ。
つまり、ここで分かることは、17歳の女性のように、素直な目と素直な取り組みが必要で、そして、細部をより深く考える力だ。
つまり、意識を明確に切り替えられなければ、技術の修得は難しいということでもあるのだ。
そして、ザックリとした全体像を捉える力。
俯瞰力とでもいうか。
それが大事なのだ。
ラフスケッチを何枚も描き、全体イメージを整えていく、という手法だ。
こういった「学び方」を知らずに、やみくもに練習量を積んだところで、細部の側面は出来たとしても全体は仕上がらないのだ。
9月の東京ワークショップは基本からみっちりいきます。
https://www.hino-budo.com/2011Tokyo-WS.htm

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