バレンシアの風
四日目終了。
肘の変化を沢山した。
皆付いてこれなくて頭を抱え込んでいた。
肘打ちが投げになり、突きに対してのバリエーションになる。
今日は意外なことを聞いた。
夜の稽古が終わり、バレンシアの旧市街に食事に出た。
そこでの雑談の中、私がフランスの南の街セトに、1980年代に教えに行った事を覚えてくれている人がいた。
私はそんなことは全く知らなかったが、その事が空手マガジンに載っていて、それを覚えていてくれたのだ。
その人は、空手を1972年からやり始め、今でもやっており、もちろん師範だ。
おかげで膝を壊し、正座も出来ない有様になったと笑っていた。
今日は、現地の人が避暑地として使っているところに招待された。
バレンシアから車で約30分。
何でもカルタゴが攻めて来たところだそうだ。
そこの海岸で初泳ぎだ。
地中海の果てしなく長い海岸、遠浅の温かい海で泳いだ。
海岸に寝転び一服。
それこそバレンシアの風が、身体を撫でてくれるように心地よい。
もし、こんなところに住んだら、絶対なにもしない、何も出来ない人間になるだろうと思った。
それほど、心地よいのだ。
現地の人のお母さんが、手料理でもてないしてくれた。
何と言っても手料理に適う料理はない。
良く動き、良くしゃべる、本当に典型的なお母さんだ。
こちらがスペイン語等分かる筈も無いのに、一生懸命話してくれる。
言葉等一切分からないが、何か伝わる。
それこそ、その時、セトに行った30数年前を思いだした。
その時も、フランス人のお母さんの手料理を御馳走になり、色々な話をしてくれた。
思えば、その時もフランス語など一切分からないし、何も分からないのに一人でパリにいた。
今日は、5日目。肘打ちの続きだ。