冷暖自知

沖縄のワークショップでの質問で、拙著「考えるな、体に聞け」からあった。
要約すると同調や流れに乗る、という事は、どんな感覚なのか?というものだった。
どう答えるべきか少し考えた。
結果「それ等は嘘です」と答えた。
しばらく間を置き、大爆笑になった。

嘘というのは、逆に同調というのは言葉であって、それ以外の何物でもない。
つまり、幻想だ。
というのは、私が誰かと稽古をしているとする。
その時に起こった現象、あるいは、起こそうとして起こす現象がある。
その事を、どう説明するのが、現代にとって分かりやすいのか、と考えた時、例えば「同調」という言葉がしっくり来る。
だから、それを当てはめた、というだけのものであって、その現象が同調なのかどうか、また、同調という言葉の意味は、どの程度の深さを含んでいるのか、という問題があるので、同調かどうかは分からない。
そして、それを実際に行なっているときは、「行なっているから」どんな感覚だと言われても、感覚そのものの状態になっているから、言葉として答えようもないのだ。

だから、本当の答えは「やれるようになったら分かるよ」でしかないのだ。
禅の言葉に「冷暖自知」がある。
冷たい熱いは、自分で体験する以外に知る方法はない、というものだ。
まさにこれだ。

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