自己放棄

良い点を取る事が目的なのと、そこにある問題そのものを理解することは、当たり前の事だが全く違う。
ということを言葉にすれば、誰だって理解出来る。
しかし、それが実際のワークであったり、行動を伴うことであれば、若干理解しにくくなる。
それは、自分自身そのものが材料だからだ。
「次、何をすれば良いのですか」
こんな言葉が20年ほど前から耳にする。
それがどんどん多くなっている。
つまり、良い点を取ることを目的として学生生活を過ごした人達は、自分で問題を探す事が出来ないから、この言葉になるのだ。
良い点を取るべき課題は、全部誰かから与えられたものだったからだ。
昨日は、全く畑違いの人達が、同じ問題に直面していることを発見した。
畑違いとは、演劇とボクシングだ。
ジャンルは違えど、来る人は同じ価値観の教育を受けた人達だから、同じであって不思議ではない。
マクベスを演じる平岡さんは、
「若い頃舞台に立つ、ということだけでも、並大抵のことではなかった。ましてやセリフを貰えるということなど夢の夢だった」
と語る。
その並大抵のことではない、セリフは夢の夢、という言葉の裏には、平岡さん自身の葛藤と、工夫という表面に出てこない密度の濃い時間を持っているのだ。
「次、何をすれば」
ではない。
その言葉は、自分を無視していること、自分を放棄していることなのだから。
11月29.30日
埼玉・彩の国小ホール
開場19時00分開演19時30分
http://www.real-contact.jeez.jp/index.htm

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