視点を変えれば

今更ながら科学の進歩は凄い。
この頃、ロンドンオリンピックに向けて、色々なアスリートを紹介している。
特にカメラが進化しているので、超スローモーションで選手達を見ることが出来る。
昨日は水泳バタフライの松田選手が特集されていた。
画面にマイケル・フェルプス選手と泳法の比較をし、どう違うのかを検討していた。
あのレベルになると、少しのミスやロスが着順やタイムを変えてしまう。
だから、比較する専門家も必死で画面に釘付けになっていた。
結果、腕のストロークとキックとのバランスが、松田選手の方が少し悪い。
何でも2ストロークの内のキックのタイミングのことで、二回目のキックのタイミングが遅いとのことだ。
そのことによって、姿勢が水面から余計に出て、ロスを引き起こしているという。
オリンピック間際でフォームの改造になった。
大変なことだ。
二人の映像が映し出された時、フェルプス選手の野生のようなガッツが目に付いた。
目は完全にプールのタッチパネルに釘付けになっていた。
という視点から見れば、その視線やガッツが、そのフォームを作り出しているとも考えられる。
高性能のカメラは、身体の全てを見せてくれる。
運動ではない剥き出しの闘志や、視線の先までも見える。
フォームは確かに目見えているし、その違いも歴然としている。
しかし、松田選手とフェルプス選手は、生まれも育ちも違う。
もちろん、メンタリティも全く違うだろう。
その違いは、フォームだけで埋まるのだろうか。
少し前レスリングの吉田沙保里が4年ぶりに負けた。
当時の産経新聞によると
「遠距離からのタックルは、年を追うごとに通じなくなってきた。
今、新規開拓を試みるのは相手と組み合う中でのタックルだが、助走距離がない分、スピードが乗らない。完成度は「65~70%」(栄監督)。吉田の中では、踏み込む勇気より、足踏みさせる迷いがまさっている。」
と書かれていた。
このことで明確に言えるのは、吉田選手の向かい合う圧力が下がっているだけであって、スピード云々の問題ではない。
圧力の低下は、相手を安心させる。
だからタックルを見切られてしまうのだ。
その圧力の低下が、今回の敗北の原因だ。
人との相対関係の競技では、特にこういうことが重要なのだ。
もちろん、吉田選手のように技術があっての話だが。
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