アントワープ終了
思わず靴を投げてやろうかと思った。
しかしスタンディングオベーションをしているボケもいる。
カーテンコールが2回。
アホか!
まるで独房に放り込まれて、身動きとれない状態だった。
ああああ~~~、ほんまに舐めてんのんか!
何時間あったのか、と思うほどひどく長い舞台だった。
見ている内に、これはきっと学生の作品ではないか、そして踊っているのは、近所のおばちゃん達ではないか、と思えるほど素人丸出しの舞台だ。
しかし、しかし。
しかしそれがベルギーでとんでもなく有名な振付家でダンサーの作品なのだ。
今日でワークが終了だったから、ファブリズが有名な振付家の公演があるからと誘ってくれたのだ。
幕が開いた途端に、これはピナのパクリやろ、と感じた。
3分後眠りに付いた。
うとうとだから目が覚めた、又寝た。
まだやっとんのんか、と又寝た。
あああまだや。
暇だから周りを見ると、どんどん客が帰っていく。
「おおおお、まともやんけ」
あまりにもひどくお粗末な舞台。
それがベルギーで一番?なんじゃそれ。
終了後、ファブリズに
「俺は3回ほど寝たよ」というと「グッド」と大笑い。
もちろんマイちゃんも寝たから大笑い。
なんやったんや、だ。
それにしてもユーロが低迷しているのに、芸術には膨大な費用を投じているのは羨ましい。
客も、おしゃれをして、こんな訳の分からん舞台を沢山見に来るのだ。
そういう心は豊かなのは良い。
ワークは無事終了した。
若い学生達の中にも、何かを掴んだ者もいた。
お前の年は幾つや
「19歳です」「そうか、俺の孫くらいやな」「ええ~」
てな会話を交わしながらの最終日だった。
最後だからと、徹底的に盛り込んだから、全員頭はパンクだ。
今日は何人かの見学者がいた。
明日は飛行場の近所のホテルに泊まる。
明後日は朝からストックホルムに飛ぶからだ。
明日フランダースでも見に行くか。