無条件で人を好きになる

ワークショップは、身体を指示されたことに従って、身体に対する刺激を感じ取っていく、という形式で行われる。
つまり、「感じ取る」ということが重要な鍵なのだ。
感じている、と思うことではなく、本当に意識を集中して刺激がある部位を感じていくのだ。
同様に、誰かと組んで身体を操作する、という形式のとき「感じ取る」が重要な鍵となる。
この場合は、相手の身体の、例えば手首、例えば手の平を通して、意識を感じ取るという「感じ取る」だ。
もちろん、相当の集中力を必要とする。
しかし、身体には「自己以外を排除する」という免疫機能がある。
それを私は「違和感を感じ取る機能」という言い方をしている。
その機能が働き、他人が近寄ってきたり、身体に触れられた時、無意識的に違和感を感じ取る。
つまり、防御本能が働いてしまうのだ。
そこをどうクリアし、相手の無意識レベルが違和感を感じないようにさせるか。
そこがワークのポイントになる。
この春、受講者の中に脈診が出来る鍼灸師が二人いた。
どちらも信頼の出来る人たちだった。
そこで、一人の女性を立たせ、その女性に近づく、ということをし、その女性の脈を診てもらった。
すると、全ての人に対して内臓のエネルギー低下が診断された。
つまり、違和感を明確に身体は感じ取っていた、ということである。
次に、触れるという実験をした。
同様に、それ以上にエネルギーが低下した。
そう、人という身体は無意識下で違和感を感じ、それと同時にバランスを取る、ということを行っているのだ。
だから、意識としては何も感じないのだ。
この実験でも、誰も女性に敵意を持っていないし、女性も誰にも敵意を持っていない。
あくまでも無意識の中でのことなのだ。
武道において、相手に触れるということは、ここのところ、つまり、無意識的違和感を相手に持たせない、持たせてはいけない、という絶対条件があるのだ。
でなければ、相手に触れた途端、あるいは、相手に近寄った途端、相手はこちらに反応してしまうからだ。
その意味で、最高級難度の稽古でもあるのだ。
もちろん、10年20年かかるだろう。
その武道での「触れる」が、私のワークでは基本となっている。
相手に本当に触れることが出来ると、正面向かい合い同様、相互の無意識下の交流が行われ、当然、人を深く好きになれるということだ。
9月の東京ワークショップは基本からみっちりいきます。
http://www.real-contact.jeez.jp/index.htm
大変遅れましたが、5,6月の公演のまとめをアップしました。
http://www.real-contact.jeez.jp/index.htm

Follow me!