一直線で
先日の本部の稽古に、小学4年生でレスリングをやっている少年が、お父さんに連れられて来た。
1年ほど前から、何か問題があるとやってきて、それを一緒に解決する。
先日は、私が相手をして見た。
なるほど、全ての動きが明確だ。
意思がハッキリと感じ取れる。
これは、武道をやっている人とも、ダンスをやっている人とも違う。
それは練習の行き着く先が試合であり、相手に勝つことだということが、明確に自覚されているからだ。
そして、稽古相手をしている私は、確実に他人であり、試合の相手なのだ。
という分析をしてみる。
しかし、本当はそうなのかどうなのかは分からない。
もっと無邪気にレスリングを楽しんでいるだけかもしれない。
私自身の10歳を振り返っても、何一つ明確なものを言葉としては持っていなかった。
しかし、確かなことは「面白い!」と感じられる何かを、取り組むことに感じていた。
その「面白い!」の連続が目的を達成させる。
以前にも書いたが、この少年は吉田沙保里選手にファンレターを書き、日本一になることを誓ったそうだ。
もちろん、だからどうなんだ、という話ではない。
それくらい、一直線だということだ。
その誓いは、西日本で優勝したり、県レベルの大会では優勝を逃したことはない。
という結果に結びついている。
だから、動きが明確にしようとしている訳ではなく、意思をハッキリさせようとしている訳でもなく、稽古相手を試合の相手だと自覚しようとしている訳でもない。
そんなことは、頭で作り出す理屈に過ぎないから、それをしても、その周辺にある色々な情報を掴むことは出来ない。
したがって、全く意味が無いのだ。
そんなことを、その少年との稽古で改めて感じさせてくれた。
稽古の為の稽古になるような稽古はするな!と、ダンサー達に言う。
やらなければいけない、と思うようなら、直ぐにダンスを止めなさい、という。
そんな理屈に縛られた自分を、どれだけ解放させることが出来るか。
神戸公演まで、後6日。
吉祥寺公演の感想文とお申し込みです。
http://www.real-contact.jeez.jp/index.htm
吉祥寺公演二幕目です。
http://www.youtube.com/watch?v=m3FGmteEFrI[[youtube:TbRljr3c3jA]]