目次

●バンドボーイ2
●バンドボーイ3
●バンドボーイ4

 

 バンドボーイ

誰の紹介だったか忘れたが、ミナミにある大きなキャバレーの楽屋にいた。
音楽を諦めきれず、店をたたんでバンドボーイになったのだ。
元々エレキ少年だったから、私の周りの人達は、ギターでミュージシャンになると思っていた。
しかし、それは#や♭が一杯の楽譜という壁に叩きのめされた。
もちろん、バンドボーイになったからといって、その楽譜から逃れられたのではない。
バンドボーイとして、その時選んだ楽器はドラムだ。
ドラムなら何も知らないから、当然ドラムの楽譜も見たことがない。
だから、ドラムを選んだのである。
そして、リズム感に関しては自信があったからだ。

店をやっていたときも、頼まれてダンスのステップを指導しに行ったりもした。
ダンスということで言えば、現在コンテンポラリー・ダンスと関わっているのも、まんざら縁がないことでもないのではないか、と思う。
料理で使う長いお箸で、有線放送から流れる曲に合わせて自然に叩いていた。
思い出せば、それは小学生の頃からそうだった。
お箸で、お膳に乗っているお茶碗やお皿を叩き、祖々母にいつも叱られていた。
「落ち着きの無い子や、ほんまに」と。
今なら多動児と烙印を押されていただろう。
ほうきをギターに見立てて、プレスリーのロッカビリーや、ポール・アンカの真似をした。
その時、おぼろげながらきっと自分は「芸」の方向に向かうだろう、と思っていた。
いや思い込んでいた。

キャバレーの裏口から入り、楽屋へ。
キャバレーは独特の匂いがある。
中学生のとき、年齢を偽ってキャバレーのボーイをしていた。
あの時以来である。
湿気のような、ビールのような、油のような、化粧のような、香水のような、それらが入り混じって何か一種独特の匂いだ。
キャバレーは開店したてで、お客さんがまだあまり入っていないようで静だ。
フロントのアナウンスだけが、大きく聞こえていた。
「○○さん、リストー」 「○○さん、○番テーブルへ」
その声を聞きながら、楽屋の戸を開けた。

「初めまして、今日からお願いします。日野晃です」
細長い 4 畳半くらいの部屋だった。
壁に向かって、アルトサックスを吹いている人がいた。
小柄で髪は少し薄くなっているようだ。
譜面を見ながら吹き、何やら書き込んでいる。
何を吹いているのかサッパリ分からないが、良い音ではなかった。
バンドマスターは、私が楽譜の壁にぶつかった時、そのバンドにいたトランペッターだ。

「じゃあアキラ君、今日からステージに上がって、ドラムの横に座って勉強したらいいわ。頼んだで」
バンマスは、ドラムのライ君に言った。
「アキラ君、僕より一つ位下だけやから、同い年と一緒や。仲良くしよう」
目が悪いのか、度付きのサングラスをかけていた。
髪は長い。
そうだ、当時は長髪が主流だった。
1960 年代後半、ヒッピーの時代だ。
「はい、よろしくお願いします」 アルトサックスのヤマチャン、ベースの寝太郎、ピアノは……、まだ来ていない。

楽屋の戸が開いた。
「おはようございます……、日野君!何してるのここで!」

 

バンドボーイ2


「えっっ!!!!!!! お前こそ何を……」
「私はここでピアノ弾いてんねんよ」

何と中学で 2,3 年と同じクラスだった Y 子と顔を会わせた。
しかも、キャバレーのバンド部屋。
世の中、どの道を通ってどうなるのか、なんて何も分からない。

彼女は、中学の時から成績がよく、 850 人中常に 100 番以内をキープしていた。
試験前になると、よくノートを借りた。
おまけに、可愛くて男どもから絶大の人気を集めてもいた。
教師からも可愛がられていた。
俺は、というと彼女には興味はなく、初恋の彼女と体操に熱を上げっぱなしだ。

そういう彼女だから、高校は名門の学校に行った。
何でも、今は 4 年生の大学のジャズ研に入り、夜はここで実践的に勉強をしているという。

「なんや二人は知り合いかいな、アキラ君は今日からドラムのボーヤで来ることになったんや」

しかし、同級生だった奴と差があるスタートとは、気分が悪い。
どないしたろか、内心穏やかではなかったのを思い出す。

そうこうする内に、不思議な音楽が流れてきた。
再会の驚きで気付かなかったが、スチールギターの音が鳴っていたのだ。
よく聞くと三拍子のワルツだ。

「あっチェンジや、行くで」

バンマスが言い終わらないうちに楽屋の別の扉から、同じジャケットを羽織った人たちが出てきた。
入れ違うように、我々がドアの向こうに入っていく。
当時は、殆どのキャバレーやクラブなどでは、バンドが二つ以上入っており、交互に演奏することになっていた。
そこのメインのバンドは、ショーの伴奏を受け持つ。
だから、ショーバンドとタンゴバンド、あるいは、ショーバンドとウエスタンバンド、ハワイアンバンドというような呼び方をしていた。
ウエスタン、タンゴ、ハワイアンという呼び名だから、そういう曲ばかりを演奏していたのではない。
それ風な曲や歌謡曲など、酔っ払いが聞きやすい曲を演奏していた。
だから、シンガーやコーラスが入っているバンドも珍しくなかった。
このキャバレーでは、バンドは二つ、我々はショーバンドで、扉から出てきたのはハワイアンバンドだ。

6 時から一回目のステージが始まる。
6 時といえば、まだ会社帰りの客も少ない。
店内はまばらだ。
ミラーボールが回り、ステージには赤色や青色のけばけばしい照明が当たっていた。

ハワイアンバンドの演奏する曲に合わせ、ピアノがその曲を引き継ぎ、ベースやドラムというリズムセクションが交替し引き継ぐ。
つまり、曲を中断させないということだった。
引き継がれた曲が終わり、いきなり始まった。

俺はドラムセットの横に椅子を置き、譜面とドラマーを交互に見るしかなかった。
?????????
さっぱり分からない、さっぱり感じない、さっぱりリズムに乗れない。
譜面を見ても、小節の数と4分音符が並んでいるだけで、何も書かれていない。
にも拘らず、ドラマーは叩きまくっている。
右手のシンバルは、リズムをキープし、左手は何やら忙しそうに叩きまくる。
左足のハイハットは、 2 拍 4 拍を踏む。
右足のバスドラムは、どこに踏んでいるのか分からない。

わからな〜い!何もかも分からない。
頭がボーっとする。
同級生のピアノも、何をどう弾いているのかさっぱり分からない。
しかし、楽しそうな顔をしてピアノに向っている。

これがジャズ?
これがジャズの最初の第一歩だった。

 

バンドボーイ3


「アキラ君、これを練習すればいいで」
ドラムのライ君が、教則本を見せてくれた。

あまり複雑ではない音符に安堵した。
「これなら読める」メトロノームを買い、練習台を買い、教則本を見ながらの練習を開始した。
しかし、面白くもなんともない。教則本といっても、直ぐに叩けるわけではない。
もちろん、最初から難しい事など出来るはずも無い。
当然面白くない。
こんなことをしていて、ドラムを叩けるようになるのか?そもそもジャズ?とにかく何一つピンと来なかった。

ステージが終わると、バンドの連中がお決まりにしているジャズ喫茶へ行く。
壁一面にぎっしりとレコードが並べられている。
そこにはリクエストノートがあり、レコードの紹介と番号がふられている。
リクエストが多ければ、その順番で待つ。
しかし、ステージの合間では、 45 分くらいしか休憩はない。
フルバンドに所属するバンドマンが多いときは、フルバンドが、コンボのバンドマンが多いときは、コンボジャズが流れていることが多い。
とはいうものの、フルバンドといってもカウントベイシーとバティリッチ楽団はまるで違うし、リー・コニッツのアルトサックス、とキャノンボール・アダレイのサックスは月とスッポンほど違う。
しかし、これらも聞き取れるようになるには時間が要った。

ジャズ喫茶で流れるレコードを聴いていても、サッパリ面白くない。
レコードが並べられている棚の中に、興味を持てるような音があるのだろうか。

明くる日の朝、モーニングサービスのある時間にそのジャズ喫茶へ行った。
とにかくジャズを聴こうと決めたからだ。
でないと、どうドラムに取り掛かったらよいか分からなかったからだ。
中学の時体操をやると決めたのは、校庭でカッコよく大車輪を回っている先輩を見たからだ。
その先輩に匹敵する音を探す為に、その日から朝からジャズ喫茶に行くことにしたのだ。

どんなことにも量は必要だ。
毎日朝 9 時から夕方 5 時までジャズ喫茶に入り浸り、片っ端からレコードを聴いた。
その内、カウントベイシー楽団の「思い出のサンフランシスコ」や「ムーンリバー」を好きになってきた。
一番ポピュラーな曲だ。
歯切れの良さと、ここ一発で聞こえるシンプルなベイシーのピアノを好きになったのだ。
こうなってくると徐々に楽しくなってくる。
「面白い!」毎日、毎日朝からジャズ喫茶だ。
その内、そのジャズ喫茶のママさんと親しく話をするようになった。
「アキラ君、お昼はどうしているの?」
「お金がないから、水ですませています」
「パンでも食べ」
何しろ、バンドボーイという身分だから、給料は無しだ。

それまでやっていた店は、お金を出してくれたママに引き渡した。
もちろん、借金は済んでいたのだが、 2 足のわらじを履きたくなかったからだ。

面白くなってくると、「練習をしようか」という気になってくる。
練習台に向かう時間が徐々に増え、気分も散漫にならなくなってくる。
そんな毎日が 3 ヶ月も続いたある日、上本町駅から千日前まで何時ものように歩こう表に出たら、急に雨が降ってきた。
仕方なく、駅近辺を見回しながら歩いた。
店の前にかかるテントの下をよりながら歩いていると、ジャズが聞こえてきた。
いや、ジャズだろうという音が鳴っていた。
思わず足を止めてその音を聴いた。
みるとそこはジャズ喫茶だった。
「こんなところにジャズ喫茶があったのか」
ここは地元だったが、興味のないときは見過ごしていたのだ。

地下に行く階段を降り、ジャズ喫茶の扉を開けた。
とたん、凶器のような音が私の身体を包んだ。
「なんじゃこれ!」
席は、大きなスピーカーの前しか空いていなかった。
スピーカーを背に椅子に座った。
テナーサックスの音、ドラムの音、ベースの音、情け容赦なく降り注いできた。
悲しそうでもあるテナーサックの音。
しかし、猛スピードのパッセージは、私の心臓を直撃した。
その音に、しばらくは身動きすら出来なかった。
何をどう感じているのか、全く覚えていないが、頭の中がめまぐるしく動いた。
血流が速くなり、心臓の鼓動も早鐘を打ち続ける。
身体はV12エンジンを最高回転まで上げ、ブレーキでかろうじて止めているようだ。
少しでもペダルを放すと、猛スピードで飛び出しそうだ。
「そうか、これがジャズか………。よっしゃ!これならジャズを出来る」
私がジャズの世界で生きようと決めた瞬間である。

「マイ・フェバリット・シングス」ジョン・コルトレーンのビレッジバンガードでの演奏だった。
live at the village vanguard

バンドボーイ4

頭の中というより、身体の中からマグマが吹き出ているような高揚感の中、何時ものジャズ喫茶に向かった。
地に足が着かないというか、身体が浮いているといおうか、とにかく一挙に高熱になったような感じだ。
いつものジャズ喫茶のリクエストノートをめくった。
それまで、そのノートを手にしても無意味な字にしか見えなかったのが、滲んだ青インクの文字と共に音が見えていた。
そのノートは、単なるレコードのタイトルや、メンバーを記したものではなく、まるで百科事典のように思えた。
「ジョン・コルトレーン」を探し当てた。
タイトルから「マイ・フェバリット・シングス」をリクエストした。
その時、きっと俺は夢遊病者のようだったかもしれない。
ひたすらその音の中に没入していった。

バンドのベースが、別のコンボに行くという。
こういった場合、ギャラが少し上がって移っていくことが多い。
きっと、寝太郎も知らない間にオーディションを受けたのだろう。

何時ものように、朝からジャズ喫茶に顔を出した。
一人客がいた。
同い年くらいの長髪だ。
「なんじゃこいつは」と内心思いながら、狭い店内を何時もの席に着いた。
「あれっ」ふと見覚えがある顔だと感じ、振り返って長髪を見た。
「おい、A田と違うんか?」
「ああ、アキラどうしてんねん、ここで」
「お前こそどうしてんねん」
「俺はジャズベースをやっているんや」
「ほんまか、俺はドラムのボーヤや」
「えええ〜」
何と、中学の同級生、いや小学校の時も一緒に遊んだ連れだった。
「ベースか、あっそうや、お前仕事はどこや」
「いや、今遊んでいるんや」
「そうか、丁度良かった、俺のバンドベースが抜けるんや。俺とこにけえへんか」
「ええけど」
二人の間では、話は付いた。
「ほんなら、今日始まる時間にベース持って来いや」
もしも、A田がバンドに来たら、同級生が三人で、ということになる。
面白いこともあるもんだ。

ここでA田と俺が出会った事が、後々事件を起こす始まりになるとは、二人とも気付いていなかった。

夕方、ステージが始まる前にA田は来た。
バンマスに紹介し、 1 ステージ遊んでいくことになった。
「遊んでいく」というのは、演奏をするということで、この場合はテストを兼ねているということになる。
テストだから、そのバンドの特徴のある曲をする。
バップからモダンが多い。
もちろん、譜面を読めるかどうかもテストの対象なので、バイショウの曲もやってみる。
(注・「バイショウ」というのは、商売のバンド読みで、コマーシャルな、という意味で、歌謡曲やラテンの曲のように、誰でも知っている曲のことをいう)

A田はそつなくこなし、寝太郎の抜けた後、無事俺の所属するバンドに入ることになった。
そんな折、今度はドラムも抜けるということになった。
相当クラスの上のバンドに行く。
ちょくちょく遊びに来ていたギターのところだそうだ。
ギターといえばエレキギターしか知らなかった俺は、そのギターを聞いて驚いた。
バイショウの曲でも、ジャズのような雰囲気になるし、音はまるで木管楽器のようなソフトな音を出し、いかにも大人の音という感じだった。
驚いたことに、譜面は全く読めないそうだ。
しかし、音を一回聴くと全部覚えてしまって、アドリブでどんどん展開させていっているのだという。
そうか、そんな人も居るんだ。

ドラムは残念ながら見つからないようだ。
俺自身はどうすればよいのか。
そのドラムに付いて止めるのか、それともこのバンドに残るのか。
バンマスが「アキラ君はバンドのボーヤだから、残ればいいよ」と。
そうか、ドラムのボーヤではなく、バンドのボーヤなんだ。
給料も何も誰からも貰っていないのだから、どっちでも良いことだ。

しばらくしてとりあえず、ということでトラでドラムの人が来た。
おっさんだ。
昼は仕事をしているという。
現役を退いて何年になるか、とも言っている。

「大丈夫か?」内心思ったが、バンマスは
「昔は相当名前を売っていた人だから、アキラ君は勉強になるよ」
と言っている。
そうこうする内にステージだ。
おおお違う!おっさんのドラムはレコードのようだ。
何が何だか分からないところにアクセントがくる。
バスドラムが不規則にガンガン入る。
ソロになると、小節のカンジョウ出来ない。
シンコペーションだらけで、釣られてしまうからだ。
ジャズの匂いがプンプンする。
俺が横でじっとおっさんを見ていると、
「アキラ君叩いてみる?」と。
「無理ですよ、まだ何も叩けません」
「叩かな叩けるようにはならないよ」とニッコリ。

ショーの時間になった。
3 回目と 4 回目のステージはショーが入る。
その頃のキャバレーやクラブでは、必ずと言っていいほどショーが入った。
懐メロの歌手や現役の歌謡曲の歌手、ヌードダンサー、ジャグラーやマジック、大きな仕掛けのパッケージショー。

これらは、全部譜面があり、その譜面には仕掛けが沢山入っている。
テンポが変わったり、ダルせーニョ、ダカーポが変則的に繰り返されたりだ。
だから、譜面を初見で読み取れなければどうにもならない。
もちろん、リハーサルなどない。
大方マネージャーが来て口合わせで打ち合わせ終了だ。

ヌードショーは、外国人も日本人もいた。
もちろん、その当時だからオッパイを見せる程度だが、それだけで客は満足しているようだった。
ダンサーはバンドにサービス、と言って、客に背中を見せ前をスッポンポンで見せてくれるのが定番だった。

「アキラ君、俺は譜面を読めないんや」
「えっ、ほんならどうするんですか?」
俺は他人事ながら焦った。
きっとショーは壊れると思った。
しかし、しかし、キャリアとは大したものだ。
譜面を読めなくても、前のギターの人のように、一回やるとカッコウがついているのだ。
凄い!これがプロか!
「誤魔化せるのもテクニックのうちやで」と俺を見てニッコリ。
本当に余裕がある。
前の若いドラマーは、譜面は読んでいたが、そんな余裕はなかったように思えた。

無事ステージが終わり、何時もの喫茶店へ行くと思っていたら、
「アキラ君、この辺に一杯飲み屋で安いところ知ってる?」
「いいえ、誰も行かないもんで」
「ほんなら、この辺の店に入ろう」
縄のれんの店に入った。
「熱燗 2 本頂戴」

その日から、この時間の休憩はおっさんのお供で一杯飲み屋に通うようになる。
飲み屋での話はオンナのこと、昔のバンドのこと、ドラムのこと、とにかく色々なことを話してくれた。
俺の知らない世界の話だから、面白くて仕方が無かった。
何でも今では有名な○○を教えていたそうだ。
片手でロールが出来たという。
フィンガーテクニックだ。
まるで自分とは結びつかない。
しかし、フィンガーテクニックというテクニックがあると知ったのは収穫だ。
そのおっさんは、今は不動産屋で働いているという。
ある時は
「アキラ君、この時計質へ入れてくれないか、一寸金がいるから」
また
「アキラ君、ステージを抜けてキャバレー●●へ行って、俺のナオンにこれ渡して来てくれないか」
と。
私用から雑用、色々なことを頼まれた。
それがボーヤの勤めか。

そうこうする内に 8 月になった。
無給のバンドボーイから、月給 5000 円もらえるようになった。
楽屋には付けが利く楽器屋が出入りしている。
スティック一組、サックスのリード、何でも持ってきてくれる。
支払いはバンドの給料日払いだ。
もちろん、無利息の月賦もやってくれる。
バンドマンには有難い存在だ。
また、バンドの情報も色々持っていた。
どこのバンドで、トランペットを探しているとか、ギターがとんずらしたとか。
だから、バンドマンが動くのは、楽器屋がもたらす情報がほとんどだ。
「アキラ君、まだ給料貰ってないのか」
年老いた叔母ちゃんが何時も気にかけてくれた。
「いいや、 5000 円貰えるようになったよ」
「そうか、良かったな」
こんなやり取りが何時も交わされる。

8 月のある日、楽屋に入った。
ドラムのおっちゃんがまだ来ていない。
昼の仕事が忙しいのかも。
メンバーが揃って来る。
バンマスが「アキラ君、×さんは?」「え、知りませんよ」……、ひょっとしたら……。

つづく

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