WorkShop-Real Contact6 in TOKYO

東京のワークショップを受講された皆さん、お疲れ様でした。
ワークショップは、 1 コマ平均 40 名を切ることなく、丁度良い人数で行えました。
ですので、延べ約 600 名以上の方が受講してくれた、ということです。
ここ数年、この人数の人達が受講してくれているので、私のワークショップが定着してきたのかな、という思いがします。
また、最近はフォーサイスカンパニーや、外国からの受講者もチラホラと混じるようになり、日本のダンサー達の刺激になりつつあります。
これは、私が外国に指導しにいくようになってから、望んでいたことです。
アムステルダムから参加した振り付け家であり、クラシックバレエの先生をしているエイミーは春の大阪でのワークショップにも来日しました。
そのご主人はフェルデンクライス・メソッドの先生でもある。「日野のメソッドは、フェルデンクライスよりも深い」と感嘆しきり。
夫妻は、 1 コマごとにメモを取り、質問を繰り返していました。
フランスから来日したラファエロは、 13 歳からサーカスで世界ツアーをしていたそうです。
彼女も、質問を繰り返します。身体の外側を使うサーカスと、内側を使う武道とでは、使い方が全く違うから一からやり直しだと、それを楽しんでいました。
皆、私のワークを自分のものにしようと思っているのです。
そして、フランクフルトで行うフォーサイスカンパニーでのワークよりも、中味が濃いことを知っているからです(エイミーはフランクフルトバレエ団出身なので、毎回参加している)。
何とか日本のダンサー達の底上げが出来、世界から「日本のダンサー達は凄い」と言わせたい、そして、世界中で活躍して欲しい、それが私のワークショップの目的です。


2009/08/25 ( 火 ) 東京初日

「私のワークを受けるのが初めての人…、まあええわ、やりましょう。お願いします」

WS は久しぶりの顔、毎回来てくれている顔、新しい顔があった。
しかし、圧倒的に新しい顔が多い。
さて、 5 日間でどう進化するか。
というよりも、私のワークを始めて受ける人は、どこまでついてこられるかだが。
数を重ねていくと、こちらもどんどん練られ進化するからだ。

初めての人が多いので、何時もよりも説明を多くした。
「胸骨操作」から腕への連関とその検証。
これも何時もの出だしだが、数を重ねるとどこでどれくらい時間が必要かが見えてくるものだ。
胸骨の前後運動の繰り返しをする。
特に背中側を認知することが難しいので、 2 人 1 組で行う。後ろの人が前の人の背中を指で押すことで、その場所を認知させていくのだ。

即興塾では肩動かし。
最小限度の手の平の動きを感じ取り、動きに変換させるのだ。
しかし、自分勝手に、ではなく、後ろの人がリーダーだから、後ろの人の指示に一瞬でも逆らってはいけないのだ。
これは双方にとって難しい。
最新の注意、最高の集中力を必要とする。
ここに気付かなければ、体感覚が磨かれることはない。
鈍い体感覚は既にあるものだが、ダンスや武道にとって必要な体感核は磨かなければどうにもならないのだ。

表現塾では「人の前」という事の自覚。
自分としては、人の前に立ってはいるが、立たれている人にとっては、「ボーっと」しているようにしか見えない。
ここが表現力の付け所だ。
もちろん、初めての人にはハードルは高かっただろう。
しかし、昨日まで何もしていなかった人でも「ダンサーです」と平気で言わせるコンテンポラリーダンスの世界。
そんな世界は可笑しいだろう、だから、観客が減って当然だ。
それは世界的な傾向だ。
それを変えていこうとしているのが、このワークショップの目的だ。
という主旨を伝えた。
少なくとも頭では理解してくれただろうと感じた。

初日終了!新木場には皆が座れる居酒屋や、食べ物屋が少ない。
新木場駅の下に鉄板焼き屋があったので、そこで乾杯!
ケビンは生憎の風邪気味だったので、一緒に盛り上がれないのが残念。



 

2009/08/26 ( 水 ) 2 日目

2 日目になると、皆の目が生きてくる。
同時に顔も引き締まって来るから面白い。
さほど厳しくはしていないのだが、ワークのルールが明確だから緊張するのだろう。
何よりも表現塾での「正面向かい合い」が一番の原因だ。
日常でも他人ときちんと目を合わせて話す、ということが少なくなっている昨今。
それ以上に、明確に向かい合うということが出来なければ舞台で観客と向き合うことなど出来ない。
そこを徹底的に突っ込むのがこの「表現塾」だ。
そこに今日から「ナマムギ合戦」を導入した。
今回は役者さんが 2 割はいる。
だから「ナマムギ合戦」が面白くなるだろう、と思っていたのだが、意外とそうではなかった。
自分の枠から出ることにためらいがあるのだろう。
役者だから発声なり、発音なりのレッスンは沢山受けているだろうが、「届ける」というレッスンはない。
もちろん、届いているのかいないのかの判定をするレッスンも無い。
だから戸惑っても当たり前だ。
しかし、思い切りよくやってみて否定されるのは楽しい。
やり直せば良いだけだからだ。
一歩出る戸惑いは、結果として相手を判定しなければならないとき、それが出来ない。
ということは、相手に迷惑がかかるということだ。
相手を判定する定規が明確だから、その定規で判定するだけなのだが、慣れていないというのは、それさえ躊躇させるのだ。
「久しぶりに否定されて、爽快感がありました」
と言ってくれる人がいたことが、拾い物だ。
胸骨操作からのバリエーションで、上半身の稼動領域を広げる。
背骨の認知とその応用。
これは、 2 人組でするので関係性がいきなり加わる。
難しいのに、皆楽しそうに取り組んでいた。
即興塾は、手の平合わせからバリエーション。

「気持ちの悪い動きはするなよ」
何度も何度も繰り返した。
しかし、クセとは恐ろしいもので繰り返す。
いわゆる、コンテンポラリーダンス的という、滑稽な動作と、必ず安定した場所、安定した姿勢を取る。
「自分をどうして、そうぶさいくに見せたいの?」
言われて気付く。
重心を落とすということと、お尻を突き出すが同じだと習っている人が余りにも多いのに愕然となる。
一体、指導者は何を教えているのか?

2009/08/27 ( 木 ) 3 日目

アイコンタクトゲームを導入。
これは単純なゲームだが、自分の勘違いや相手からの合図の誤解を見事に浮き彫りにさせる。
だから、相手を見ているようで見ていない、何を見なければならないかが明確ではない、ということを知るのに最適なのだ。
勘違いする目、誤解をしてしまう頭、それである限り、舞台での表現は成り立たない。
というよりも、そういった目は、舞台では生きた目には見えない、光らないのだ。
ゲーム終了後、それぞれが誤解が多いことに気付いた。
つまり、独りよがりのアイコンタクトだと気付いたということだ。
もちろん、独りよがりだからアイコンタクトにはなっていない。
そんなものなのだ。
検証する術を持っている人、気付いた人だけがなにかしらの能力を手に入れる。
それが社会であり、人生なのだ。
決して「言葉」を理解しているからといって、あるいは知っているからといって、その実体を実現できることはないということだ。
まず、それに気付かなければ、正面も何も始まらない。
「感じる」とは、任意の部位、例えば、相手と触れている腕、例えば、自分自身だけの肘先から、その全体の意識の方向や身体の連動部位を探っていくことである。
単純に、湯に触れば熱い、という感じるではないのだ。
全体の集中度がどんどん高まり、表現塾では絶頂を向えた。
グループに分かれているので、そのグループ内でどんどん会話が弾んでいった。
「どうすれば、そう見えるか」だ。
よく、そのグループを見ていると、役者さんとダンサーとは、明らかな違いが見える。
それは、舞台を踏んでいる数であり、そのジャンルの持つルールの厳しさの違いだ。
厳しいルールで鍛えられている役者さんは、その「どうすれば」は現実問題だから、現実的な考え方を展開する。
しかし、舞台が幻想でもあるダンサーには、そのどうすればも、当然幻想になり、それを具体化することなど出来ない。
最後にはワークショップの最終日のような雰囲気があった。
一瞬で 1 日が終わる感じだ。
逆に言えば、それくらい充実しているということだ。
大阪同様ショーケースのない、純粋なワークショップは密度が高くなるから面白いし、受講者自身の持つ手応えも大きい。
相変わらずトンチンカンな質問をする人がいる。
だから質問にはならないのだが。

背骨の認知から、縦系の連動、そしてねじれの連動。
ねじれの連動からの応用。
1:1  の正面向かい合いから、移動しての向かい合い。
向かい合いで止める、 1:2 の向かい合いと流れた。


2009/08/29 ( 土 ) 東京 WS 終了!

参加して下さった皆さん、ありがとうございました。無事、終わりました。

打ち上げは、過去最多の 30 人も参加した。
この人数を収容出来る飲み屋、ということで銀座に出た。
テーブルだったの分散してしまったが、各々テーブルは盛り上がりを見せていた。
解散はまだ早い、ということで 2 次会。
2 次会は関西方面への列車の都合で、数人抜けたが 20 数人参加。
もちろん、エイミーもケビンもラファエロも 2 次会まで一緒だった。
エイミーもラファエロとも、ジュネーブのワークショップで再会することになっている。
だから、しばしの別れだ。

最後の日は表現塾がない。
少しやっておこうと 30 分延長し表現塾を行った。
足首からの胸骨への連動。
ねじれからの応用。
胸骨操作の応用。
ワークの内容は、それぞれのクラスのダンス的な応用にした。
どう使えるのか、を実際として提示し、それぞれのジャンルで使って貰いたいからだ。

最後の日はアッという間に時間が過ぎた。
あれもこれも、と考えていたことが残念ながら出来なかった。
もう一つ残念だったのは、来年 2 月公演の為の出演者を選び出すことは出来なかったことだ。
こちらで考えるイメージに合う人がいなかったし、そのイメージを覆すほどの個性を持った人がいなかったからだ。
しかし、候補になる人はいたので、後日連絡を取り合おう、ということにした。

午後 11 時過ぎ、電車の最終に間に合うように解散。
名残惜しそうに、それぞれがメールアドレスの交換などをしていた。

来年の夏、再会できることを祈って、お互いの舞台を頑張ろう!と、それぞれの道に分かれた。

   

TOP

ベネチア紀行

  身体塾   武道塾   武禅

 今までのワークショップ