フランスでの武道ワークショップ

← やってはいけないことの説明。

稽古と自分勝手な汗をかくことの違いなど、稽古で陥りがちな我慢比べという穴を説明。
また、踏ん張ったり、相手の技にかからまいとする、歪な反応はクセとなり、結局は自分の命取りに繋がるということを、実際を交えて説明。
日本でも独りよがりな先生に就いている人や、自分勝手に稽古をしている人はこのタイプが多い。
フランスでも、こういう人を見かけたが、日本人と比べて割合が少ないのには驚いた。
つまり、フランス人の方が素直な人が多いということか。

胸骨操作の稽古 →

力一杯の後ろからの取りが、この操作が出来ているのかいなのかの検証に一番適している。
柔らかい取りや、やけに反応の良い稽古ではなく、がっちりと後ろから固めるのだ。
そのことで、取りの人も仕掛ける人の正誤や、どこがどう違うかを体感でき、自分の稽古にもなる。
また、同時に生理的反射なども体感できるので、武道の本質的な要素を簡潔に稽古が出来る。
もちろん、武道としてはこんな後ろからの取りは危険だからしてはいけない、という実際も知ることが出来る。

私より遥かに大きな人に力一杯とって貰った。実際肩部分は身動き一つ出来ない。
皆は心配そうに見ていたが、あっけなく腕を解いてしまったので、一同唖然…

← 間の稽古

見たところ正座になれている人が多かったので、正座状態で、体重を乗せがっちり手首を取ってもらう。
正座をしている両膝を素早くくっつけ、その時に相手が握っている手が床に落ちる。
落ちてから相手を浮かせてしまうのだが、ここが「間」の稽古だ。
落ちてから上がる時の「意識の停止状態」の時間の長短。
そのコントロールによって相手のバランスは崩れ、こちらの最小の力で浮いてしまう。

180センチ以上はある相手にがっちり押さえ込んで貰い、間を作り浮かせてしまう。
当人も周りの人も、ただ笑うだけ。
曰く
「インチキは沢山見てるし、知っている。本当に出来るのを見たのは初めてだ」

手を掴んだり握っては駄目 →

武道にとって「手」は最後までとっておかなければいけない大切な道具だ。
相手の手を握るということは、自分の手を殺している、つまり、使い物にならないということを知る。
というのは、道場では1対1の稽古が多いが、戦国時代は敵は自分の目の前にいるだけとは限らない。
だから、手を殺しては次に対処できない。
そんな理由から、手は引っ掛けたり触るだけに使う。

握らなくても相手の手を固めることが出来る、
という稽古。
その為には、こちらの身体の位置が凄く重要だ。

← 相手のリズムに乗る

相手の動きのスピードに乗り、逆を取っていく。
相手がこちらに仕掛けるスピードや力の方向を、相手の腕を固めている手で感じ、それに乗り、相手の力の方向を少しずらす。
相手を感じるのは難しいが、武道必須の要素だ。

スイスから私の助手に来てくれた、元フォーサイスカンパニーのマーツを相手に「ねじれ」からの逆。

手は最も敏感な器官 →

握られている手を外すのは危険だ。
相手の手はそれを察知し、次の攻撃を仕掛ける。
この場合、空手の人を相手に、即反応して突きを出すようにしてもらった。
この方は恐ろしく素直で、私が何度か「これで反応しろ」と教えると、こちらの意識の変化に素早く突きを出せるようになった。
その反応が良いところで、私が手を動かさず、逃げようと思うと同時に突きが飛んでくるのを皆に見せた。
だから、手を外してはいけない、を納得。
そこで、手を外さずに、逆に相手に反応を起こさせ、こちらに突きを出させ、後ろに回り込んで勝機を掴むを見せた。

そういえば、今回参加してくれた人たちの年齢層は比較的高かった。
そんなことが、ワークショップ自体の進行や場をスムーズにしてくれたのかもしれない。
本当に殆どの人が、素直で謙虚に私の話や稽古に取り組んでくれた。
笑顔が絶えない、気持ちの良いワークショップだった。
色々なジャンルや流派を超えて、私のワークショップでみんなが交流するようになれば、と思う。
何しろ、武道は現在のように細分化されたものではなかったのだから。

体重移動 →

先ほどの正座からの持ち上げだ。
ここには二つのトリックがある。
一つは、相手にこちらの力の方向や、何時出すのかをキャッチさせない。
一つは、全身を使って、相手に腕に注意を向けさせない、という二つだ。
こちらの身体としては、肩甲骨をきちんと前に出し、腕と背中を一本化して使う、をする。

参加者の中で、特に大きな体格の人が、試しに来る。
色々な力加減の人がいるので、参加者よりも私の勉強に大いになった。


みなさんお疲れ様でした!


沖縄キジムナーフェスタ実行委員の方のWSレポート

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